年間ベストの選出には毎年のように苦労するのですが、今年は特に難しかったですね~。
新型コロナウイルスの影響で、我が国カンボジアでは4月以降のほとんどの期間は映画館が休業していました。また、5月には第一子が産まれたことでも、映画を観る時間というのは限りがありましたねぇ。
純粋に2020年に劇場公開された作品のみを対象に年間ベストを選ぶと5本にも満たなそうなので、「2019年に劇場公開、でも鑑賞したのは2020年」に該当する映画も無理やりねじ込みました。
それではタイレンジャー的、【苦肉の】2020年ベストテンをご覧くださいませ。
2020年ベスト10
第10位『デンジャー・クロース 極限着弾』
美談もクソもない、ただ殺伐とした戦場を描いているのに好感が持てたオーストラリア映画。日本では邦題も含めてB級っぽい宣伝のされ方でしたが、実はマジメな一本。
第9位『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
がまんじ~る!ケレン味さえ徹底していれば設定はガバガバでもOK!変にシリアスなブラピの戦車映画『フューリー』よりもこちらの方がバカでよろしい。(2019年日本公開)
第8位『リチャード・ジュエル』
人は見た目が9割。重たい話なのかと思いきや、中盤はブラックコメディに転調するのが楽しかったです。ポール・ウォルター・ハウザーは2020年のベストガイ。
第7位『私の知らないわたしの素顔』
女の夢は男にとっての悪夢。オバハン、どこまで暴走すんねん、と思っていたら意外な事実が明らかになる展開は鮮やかでした。
第6位『CLIMAX クライマックス』
ギャスパー・ノエ流のテクノホラー。いや、ノエ流のテラスハウスか、これは。(2019年日本公開)
第5位『ゴーストランドの惨劇』
レイプホラーとして非常に不快ながらも、実は「夢見がちなオタク」に「現実と闘え!」とハッパをかける映画でもあります。(2019年日本公開)
第4位『ナイチンゲール』
2020年最大の鬼畜映画。強姦魔が王子様的ルックスのイケメンというのが最高。10位の『デンジャー・クロース』もそうだけど、最近のオーストラリア映画は殺伐としていて良いですなぁ。
第3位『彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』
田舎の童貞軍団が「おら戦争さいぐだ」と入隊して、部活動の夏季合宿のような訓練を終えて、戦闘の合間に娼館で童貞を捨てて一丁前の「素人童貞」と化す。無益戦争に身を投じる若者たちを描いた【青春浪費映画】。
第2位『2人のローマ教皇』
『シティ・オブ・ゴッド』が心の一本である僕にとってフェルナンド・メイレレス監督の復活は嬉しいですね~。ユーモアとシリアスの優れたバランス感覚に、確かな意図を感じさせる演出など見どころたっぷりの映画の授業のようでした。(2019年Netflixにてリリース作品)
第1位『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』
大晦日に駆け込み鑑賞した結果、これがまさかの傑作で1位!グロくて不謹慎なギャグが冴え渡っており、往年の名作『悪魔の毒々モンスター』を彷彿とさせるテイストなんですなぁ。2020年、いちばん爆笑した映画はこのノルウェー産のギャグホラーでした。
TAPPELUFT PICTURES (C) 2014
以上、2020年のベストテンでした。なんだか今年もホラー映画と戦争映画ばっかりでしたね。
2020年ワースト1
年間ワーストの候補は色々ありまして・・・
『アンダーウォーター』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』『レ・ミゼラブル』に加え、
超愚作の『愛は、365の日々で』なんてのもありましたが、
「とにかく気に入らない」という観点で選んだのがこちら。
第1位『1917 命をかけた伝令』
戦場をリアルに描こうとすると映画としてはつまらなくなる、という持論の通り。物語よりもテクニック偏重なのも興ざめ。
以上、2020年ベスト&ワーストでした。それでは皆さん、良いお年を!
コメント
明けましておめでとうございます!
恒例の年間ベスト・ワーストですが、ベスト1が「なんじゃこりゃ!?」ってなりました。
これはそのうち見なければいけませんわ!
なかなかにお忙しい毎日かと思いますが、今年は心置きなく映画を楽しめる状況が来るといいですね。
謹賀新年!キャンさん、コメントをありがとうございました。
僕もこんなベスト1になる予定ではなかったんです、12月30日までは(笑)。
まさかの滑り込み傑作で、今年一番笑わせてもらった映画でしたね~。
ほんと、映画館が恋しいですわ・・・コロナ憎し!
タイレンジャーさん、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
ベスト10に挙げていただきました映画、ほとんど鑑賞できていません、笑笑。そんななか、ワーストの〝1917〟には思わず頷いてしまいましたです。これは箱庭感覚のゲームみたいな戦争映画でしたね。
映画鑑賞を取り巻く環境が日本と異なりますが、だからこそタイレンジャーさんの映画紹介を今年も引き続き楽しみにしております!
トシさん、あけましておめでとうございます!こちらこそ宜しくお願い致します。
カンボジアのコロナ事情(感染者はとても少ないんですけどね)もあって、なんだか変なベストテンになってしまいました(笑)。
『1917』は年間ベストテンに入れる方も多かったと思いますが、個人的にはこういう映画が増えても困るなぁという意味も込めてワースト1にしました。
実際はそこまで酷くはないんですけどね。気に入らないというだけで。
僕は今年も日本のように最新映画を観ることは難しそうですが、引き続き読んで頂けたら嬉しいです。
スオスダイ チュナム タマイ!
お久しぶりでござるタイレンジャー殿。わが主君の命を受け参上仕りましたぞ。仰る通り「1917」は本編内容より『お客さんどーですか!ウチの最先端撮影技術は凄いでしょ!』てな技法自慢が前面に鼻につくでござる。やっぱり戦争映画はクローズアップよりロングショットで大平原を戦車と兵士の大群が駆け巡る画が一番ですなぁ
(o´∀`)b
「処刑山」は(馬鹿馬鹿しさが)高評価らしいので是非とも拝見したい所存
( ^_^)
ライオン丸殿、スオスダイチュナムタマイ!
コメントを頂きオークンチュラウン!
そう!まさに『1917』は作り手のドヤ顔感が鼻につくのです・・・。
技巧は超絶かもしれませんが、肝心の話が面白くなくてはどうにもなりましぇん。
丸顔殿に(『処刑山』のレビューを)よろしくお伝え願いまする!