『愛は、365の日々で』【エロエロ】カネにモノを言わせた”完全なる飼育”

映画『愛は、365の日々で』の一場面 サスペンス
この記事は約5分で読めます。

ポーランド版『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』とも言われるエロエロサスペンス映画がNetflixにて配信中です。

本作を別の例え方をするならば、”拉致監禁版『プリティ・ウーマン』”であり、”金持ち版『完全なる飼育』”とも言える内容なんですなぁ。

タイレンジャー
タイレンジャー

で、今までにないほど最悪なものを観てしまった!というのが第一印象。具体的な感想をば。

作品概要

2020年製作/114分/ポーランド
原題:365 dni | 365 days
監督:バルバラ・ビアウォヴォンス/トマシュ・マンデス
原作:ブランカ・リッピンスカ
脚本:トマシュ・マンデス
撮影:バルテック・シェルリカ
出演:アンナ=マリア・シエクルッカ/ミケーレ・モローネ/ブロニスワフ・ヴロツワフスキ/オタル・サラリゼ/マグダレナ・ランパルスカ ほか

本作は、ポーランドの作家ブランカ・リピンスカの同名小説が原作で、撮影監督のバルテック・シェルリカは”現代版『美女と野獣』”と表現している。キャリアウーマンのラウラ(アンナ=マリア・シエクルッカ)は、ある日マフィアのボスであるマッシモ(ミケーレ・モローネ)に拉致される。そして、彼が所有する大邸宅に監禁され、「1年間という期限の中で自分を愛せ」と強要されることに…。

海外ドラマNAVIより)

予告編

365 DAYS MOVIE TRAILER 2020 l Massimo & Laura l EnsWorld

感想・考察(ネタバレなし)


原作小説はベストセラーらしいんですが、本作は映画として超~ヘタクソです。

冒頭に書いたように、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』や『プリティ・ウーマン』『完全なる飼育』とも似通ったお話ではありますが、それらの劣化版と表現せざるを得ません。

『完全なる飼育』のように、拉致・監禁などの被害者が加害者に対して好意的な感情を持つようになるストックホルム症候群のフォーマットであること。

『プリティ・ウーマン』のようにカネにモノを言わせて女心を「買う」という大富豪の手法と、それに潜在的に憧れる女性の心理もまたベースにあります。

『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のようにオラオラ系のイケメンの猛烈なアプローチの末にちょっとアブノーマルな性体験をしてみたいという火遊び感(がさもイケているかのように描かれる)も似ています。

要は「行き過ぎたレディースコミック」のような売れ方を狙った作品であり、そういった題材に心をときめかせる層にうまく訴求できたかもしれません。

しかーし、本作は脚本も演出も、僕が近年観たなかでも最低レベルの代物であり、最後まで通して鑑賞することが苦痛に感じられたほどでした。

確かに最大の注目ポイントである性描写は攻めているほうだと思います。

例えば、序盤でマフィアの親分であるマッシモ(濃すぎるイケメン)がプライベートジェット機の中でCAに口淫を強制する場面がありますが、CAが咥えているモノが僅かに見え隠れしたりします。モノが本物か偽物かはともかく、それが見えるくらいのカメラアングルで捉えているということなので、AVに近いような画だということです。

いかにも男性ホルモンがみなぎっていそうな容姿のマッシモは美女ラウラを拉致監禁して「365日間くれてやるからオレ様を心から愛するようになれ」と言い放ちます。彼が望んでいるのはレイプではなく、身も心も完全に結ばれるセックスなのです。

囚われの身であるラウラは当然、拒み続けますが、高級ブティックで買い物三昧、高級グルメ三昧、ロマンチックな体験三昧の「お姫様扱い」にどんどん気を良くしていきます。

で、二人っきりでクルーズ船で遊覧中にとあるアクシデントが発生したことから、二人の心に火がつき、自家発電でもできそうな勢いで貪り合うようにセックスに耽ります。ベッドで一戦交えたかと思えば、今度は白昼堂々、船の甲板の上で第二戦。その様子をドローンの空撮で壮大に捉える映像には大いに失笑しました。ミスチルのTomorrow Never Knowsのミュージックビデオみたいなカメラワークで洋上の青姦を見せるんですよ?

で、演出として何がダメかって話ですけど、こういった性描写の場面のたびに、登場人物たちの台詞の音量が小さくなって、代わりに最近のイケてる感じのポップスが流れるんですよ。古い言葉で言うとMTV風な手法なのかもしれませんが、僕が耳に入れたいのはポッポスなぞではなく、喘ぎ声など性行為から発せられる艶めかしい音のほうだ!

まぁーたしかに『フィフティ・シェイズ~』シリーズでもこんな演出はありましたが、本作はやりすぎです。性行為の場面にはイケてるポッポスがもれなく被せられるので、風情というものがありません。

そう、本作の全体を覆うのは「官能的な要素や展開がイケている」という価値観なのです。それはファッションアイテムや、ライフスタイル、社会的ステータスとしてのエロスです。「金持ちでワイルドなイケメンとのセックスはこんなにイケてる」というわけです。

なので、本来の拉致監禁という状況が生み出すヒリヒリとした背徳感や、アブノーマル感は本作においては希薄なのですね。

僕の評価

1点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

観るなら早送りでも良いレベル。

どうでも雑感

・ネットフリックス作品って、こういう明らかにレベルの低い映画もあったりするので、個人的にはあまり評価していません。

・囚われの美女ラウラを演じたアンナ=マリア・シエクルッカは美乳でしたけどね。でもちょっと魅力に欠けるかな。

鑑賞方法

『愛は、365の日々で』はネットフリックスにて配信中です。

※本ページの情報は2020年12月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。

こちらは風情のあるエロ映画

コメント

  1. キャン より:

    こんにちは、ここまでストーキングして参りました、キャンです。
    今一コメントの仕方が分からなかったですが、ちゃんとできてるかな?
    タイさんの評価は一点と激低ですが、ミュージックビデオ風洋上青姦がひたすら気になりますね!
    あと自家発電できそうな激しさとか。

    それでは、他の記事も拝見させて頂きますね!

    • キャンさん、使いにくいところコメントをありがとうございました!
      本作は啞然とするほど映画としてダメダメですが、AVみたいなミュージックビデオと思えば、割り切って観れないこともないかも?です。
      そもそもそんなものを見たい人がいるのかって話でもあるんですが(笑)。

      まだ試行錯誤中の新ブログですので、ご意見・ご感想あればスバっとおしらせくださーい。