『アリー/ スター誕生』感想・考察:【ダメ男】監督の自己愛がガガさんの足を引っ張る

映画『アリー/ スター誕生』の一場面 ドラマ
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…なんなん?この話。

ごくたまに感想を書く気が失せるような嫌な映画に出くわすことがあるんですが、僕にとっての本作はまさにそれ。以下、酷評なのでお好きな方はご注意。

タイレンジャー
タイレンジャー

「歌姫誕生」の話かと思ったら、「ダメ男劇場」でしたね。しかも超ダウナーな。

作品概要

2018年製作/136分/PG12/アメリカ
原題:A Star Is Born
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ブラッドリー・クーパー
脚本:エリック・ロス/ウィル・フェッターズ/ブラッドリー・クーパー
撮影:マシュー・リバティーク
音楽監修:ジュリア・ミシェルズ/ジュリアンヌ・ジョーダン
出演:レディー・ガガ/ブラッドリー・クーパー/サム・エリオット/アンソニー・ラモス/ボニー・サマーヴィル/デイヴ・チャペル ほか

歌の才能を見いだされた主人公がスターダムを駆け上がっていく姿を描き、1937年の「スタア誕生」を皮切りに、これまでも何度か映画化されてきた物語を、新たにブラッドリー・クーパー監督&レディー・ガガ主演で描く。音楽業界でスターになることを夢見ながらも、自分に自信がなく、周囲からは容姿も否定されるアリーは、小さなバーで細々と歌いながら日々を過ごしていた。そんな彼女はある日、世界的ロックスターのジャクソンに見いだされ、等身大の自分のままでショービジネスの世界に飛び込んでいくが……。世界的歌姫のガガが映画初主演でアリー役を熱演。もともとはクリント・イーストウッドが映画化する予定で進められていた企画で、「アメリカン・スナイパー」でイーストウッドとタッグを組んだクーパーが初監督作としてメガホンをとり、ジャクソン役でガガとともに主演も果たした。第91回アカデミー賞で作品賞を含む8部門でノミネートされ、主題歌賞を受賞した。約12分間のシーンが追加された「アンコールバージョン」も一部限定上映。

映画.comより)

予告編

映画『アリー/ スター誕生』予告【HD】2018年12月21日(金)公開

感想・考察(ネタバレなし)


レディー・ガガ扮するアリーがメインの話と見せかけておいて、実際は監督も務めるブラッドリー・クーパー扮するジャクソンが話のメインですよね。

無名から歌姫街道を突き進むアリーと、反比例するように落ちぶれていくジャクソン。で、明らかにジャクソンの方に比重が置かれて描かれています。

詳しく書くと、話の展開(表面上の事象)はアリーのサクセスストーリーなんですが、ドラマ(心の葛藤や移り変わり)はジャクソンが軸になっています。もちろん、アリーにはコンプレックスがあってとか、生活や労働の環境も良くなくてとかあるんですけど、それらはただの背景で、ドラマの軸ではないんですよね。

歌姫として売れてからはアーティストとしての方向性をめぐってマネージャーと対立したりしますが、これも軸ではない。あくまで燻るジャクソンの苦悶が軸で、アリーは衛星のように振り回されるだけの存在に見えてしまうんですよ。

で、ここで僕が思うのは「レディー・ガガをワッショイする企画」のはずが、ブラッドリー・クーパーが自分で美味しい部分を持って行っちゃってるんじゃーんということです。役の上でも、監督としても、ガガさんを持ち上げることができないってどーゆーことよ?

映画初主演のガガさんにプレッシャーがかからないように、という彼なりの配慮でしょうか?いや、僕の主観では監督も兼ねたブラッドリー・クーパーの自己愛にしか見えまへん。
接待の席で、お客様に話を振らずに自分の話ばかりする奴(バカ)みたいに見えるんですよ。もっとガガさんを立てろよ!と。

彼が実生活でもアルコール依存症だった経験を踏まえているにしても、可哀想な自分の話に比重を置きすぎ。題名も『スター誕生』よりも『可哀想な俺サマ』の方が合っているのでは?

だから、監督は他の人に任せて、分業制にした方が良かったんじゃないかと思いますね。他人なら変に肩入れせずに客観的な視点でバランスを整えられたんじゃないかなと。

一応、良かった点も挙げますね。
素顔のレディー・ガガは可愛いかったです。低身長に大きめの顔、大きめの鼻、いいじゃないですかぁ。Tシャツ姿の彼女にはなかなか萌えましたね。

前半でジャクソンがアリーにアプローチする過程は「これがミュージシャンの口説き方か〜」とニヤニヤしながら見ちゃいました。

初対面でいきなりアリーのつけ眉毛を剥がすとことか。そんなのいきなり服を脱がせるのと同じですからね。男が女性のすっぴんを見たがる(または好き)なのは「裸を見たい」って深層心理だと思うので。

ただ、ジャクソンが素人のアリーを突然ステージに上げて歌わせるあたりは観衆にとっては微妙じゃないですかね?「お前らデキとんのかい…」と。ま、そういう口説きテクなんでしょうけど。

僕の評価

2点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

自己憐憫キャラは見苦しい。

どうでも雑感

・あ、撮影後もガガさんとブラッドリー・クーパーが公の場でやたらとイチャイチャしていて、「デキとるやろ」と言われていたそうで。

ただ、ガガさん曰く、「それは思惑通り。皆んなを騙すことに成功した」とのこと。
野次馬根性としては興味深い話ですけど、ちょいとやり過ぎかな?

鑑賞方法

『アリー/ スター誕生』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。

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本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

『アリー/ スター誕生』はTSUTAYA TVでも鑑賞できます。30日間お試し期間があるのでぜひ。

本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信状況はTSUTAYA TVサイトにて
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