『ジェラルドのゲーム』【バイアグラ】旦那が腹上死!残された奥さんは…

映画『ジェラルドのゲーム』の一場面 サスペンス
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中年男、ジェラルドはギンギンになるためにバイアグラを持参した。
彼と妻がやって来たのは人里離れた湖畔の別荘。
マンネリ化した性生活に刺激を求め、ジェラルドは手錠で妻をベッドに縛りつけ、レイプごっこを強要する。
ところが妻が拒んだところで、ジェラルドは心不全を起こしベッドの上で息絶えてしまう。
妻のジェシーは両手をベッドに繋がれたまま。助けを呼ぼうにも周囲に人はいない。ジェシーの運命やいかに。

タイレンジャー
タイレンジャー

本作を観ればなぜマイク・フラナガンが『ドクター・スリープ』の監督を任されたかが分かりますね。

作品概要

2017年製作/103分/アメリカ
原題:Gerald’s Game
監督:マイク・フラナガン
原作:スティーヴン・キング
脚本:マイク・フラナガン/ジェフ・ハワード
撮影:マイケル・フィモナリ
音楽:ザ・ニュートン・ブラザーズ
出演:カーラ・グギーノ/ヘンリー・トーマス/ブルース・グリーンウッド/カレル・ストリッケン/ケイト・シーゲル/キアラ・オーレリア/トム・グリン ほか

「オキュラス 怨霊鏡」「ソムニア 悪夢の少年」のマイク・フラナガン監督が、スティーブン・キングの同名小説を実写映画化したシチュエーションスリラー。マンネリの性生活を打開するべく、人里離れた湖畔の別荘にやって来た中年夫婦ジェラルドとジェシー。刺激を求めるジェラルドは、ジェシーの両手を手錠でベッドに拘束する。しかしその後、ジェラルドは心臓発作を起こして絶命し、ジェシーは身体の自由を奪われたまま取り残されてしまう。さらに部屋の中に野犬が入り込み、ジェラルドの遺体を貪り始める。ジェシーは命の危険にさらされる中で、奇妙な幻覚を見るようになり……。主人公ジェシーを「カリフォルニア・ダウン」のカーラ・グギーノ、夫ジェラルドを「スター・トレック」シリーズのブルース・グリーンウッドが演じる。Netflixで2017年9月29日から配信。

映画.comより)

予告編

Gerald's Game | Official Trailer [HD] | Netflix

感想・考察(ネタバレなし)


ジェラルドのゲームというのは、彼が奥さんに強要したレイプごっこ(拘束プレイ)のことなんですが、本編開始後15分で見事に頓挫します。 

彼がバイアグラの副作用で腹上死した為です。 

さっきまで奥さんに「抵抗して、助けを求める演技をしてくれないかな〜?」というAV見すぎ発言をしていた彼がポックリ逝ってしまったのには笑いました。 

で、手錠をかけられた奥さんが『127時間』ばりの脱出を試みる、という話なのですが、面白いのは脱出劇そのものよりも、その状況がもたらす内省がメインだという点です。

その内省によって浮き彫りなるのが彼女の幼少期のトラウマです。 過去のトラウマとの対峙、というのが本作のテーマになっているんですね。一人旅をしてる時や、知らない環境にポツンと取り残された時、なぜか昔の嫌なことを思い出だして自問自答を始める、あの感じに似ています。 

で、本作においては手錠で繋がれたベッドからの脱出がそのまま「過去のトラウマに囚われていた自分からの脱却」を意味するという訳です。 

本作はスティーヴン・キングの原作をマイク・フラナガン監督が映画化したもので、キング自身が映画の出来に太鼓判を押した一本です。 

そしてキングに認められたフラナガンは本作の後に『シャイニング』の続編である『ドクター・スリープ』の監督に抜擢されました。 『ドクター・スリープ』については僕は「キングとキューブリックの折衷案を試みた中途半端な作品」と書きましたが、本作を観るとフラナガンが監督に選ばれた理由がよく分かります。 理由は主に2つ。 

まずは前述の「過去のトラウマとの対峙」というテーマが『ドクター・スリープ』と共通していますね。どちらの主人公も幼少期の家族に関するトラウマを抱えており、それを解消できないまま大人になってしまっています。 

このテーマそのものは米国映画ではよくあるものですが、キングは過去のトラウマをよりネチネチと描く作家です。本作でもトラウマの内容はいやらしく、時間を割いて描かれており、キングの意図を汲み取っていますね。 

キング作品はホラー描写そのものよりも、こういう内省と葛藤を配分多めにしているイメージがあって、表層的なホラーよりも内面的なドラマを重視するのが特徴でしょうか。 つまり、キング作品は「入り口はホラー、出口は人間ドラマ」なのですが、本作も『ドクター・スリープ』もその点を遵守したという意味で原作に忠実ですね。 

あともう1つが「架空のものをさも実存しているかのように描く」という点です。 

主に霊的な存在がそうなんですが、佇まいが人間とあまり変わらないと言うか、実際にはその場には存在し得ないのに、その場にいるようにサラリと観せてますね。 この点はあんまり具体的に書くとネタバレになりますが、天使の自分と悪魔の自分が同時に現れて語りかけてくるような感じに似ています。 

過去の人物(記憶の中の人物)と面と向かって対話をするというのが両作品に共通しており、それイコール、トラウマとの対峙を意味していますね。 

それらを踏まえて考えると、『ドクター・スリープ』は「キングとキューブリックの折衷案」に留まる作品ではなく、フラナガンの色もしっかり出せた映画だと思えます。先に本作を観て、彼の特徴を把握できていたら『ドクター・スリープ』ももっと楽しめたかもしれませぬ。 

この監督はすごく真面目だと思いますよ。キング作品の本質をシッカリ捉えて映像化しようという意図が感じられます。ただ、真面目さが裏目に出てやや退屈になりがち、と個人的には思いましたが。 

あと『E.T.』で主人公の少年を演じたヘンリー・トーマスがすっかりオッサン化していて変態クズの役で出演しているのも見逃せませんよ!

(画像はIMDbより引用)

僕の評価

6点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

内省的なのは良いですが、少し眠くなる・・・。

どうでも雑感

・キング作品は他人のトラウマとか失敗談に延々と付き合わされるのを楽しめるかがポイントですね。けっこうくどいんですが。

・ほんと、このジェラルドがですねぇ、AV見過ぎのこじらせ童貞みたいな奴で笑えますよ。精神的には童貞のくせにバイアグラって何だよ…って感じですが笑笑。

鑑賞方法

『ジェラルドのゲーム』はNetflixにて独占配信中です。

※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。

スティーヴン・キング原作映画

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