宗教

サスペンス

『薔薇の名前』(1986) 魔窟で残飯をあさる美少女に童貞を捧げる

日本の山に例えると富士山や高尾山のように登山者にポピュラーな山のような映画です。登山者の多い山には難易度の異なる複数の登山ルートがあります。初心者向けの傾斜が緩やかで人通りの多いルートもあれば、ストイックな登山者向けの険しいルートもあり、同一の山であってもどのルートを選択するかによって、その山に対する印象もかなり違ってきます。大ベストセラーを原作に持ち、中世イタリアの修道院を舞台にした連続殺人ミステリである本作にもまた、<strong>観客がどのレベルでも楽しめるよう、複数の「登山ルート」が用意されているように思えます。
ドラマ

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』【神父様は小児性愛者】幼少期のトラウマと共に生きる人へ

20年間で80人もの少年に性的虐待をしていたことでフランスを震撼させた「プレナ神父事件」の映画化作品。週刊誌的なネタを得意とするフランソワ・オゾン監督が珍しく実直モードで撮った本作は、幼少期に何らかの心の傷を抱えてしまったすべての大人にとっては他人事でない映画となりました。
アクション

『ポセイドン・アドベンチャー』 ジーザス筋肉クライスト!体育会系の宗教映画

え?これって宗教映画だったの?「人間ドラマも充実したパニック映画の傑作」は表向きの顔だった?本作の【宗教映画としての側面】について感想と考察をば。
ホラー

『ザ・カー』【合わせ技】オカルト映画×モンスター映画=悪魔の車

ブーッブブブーッ!嗚呼、耳に残る独特のクラクション音。無人の車が無差別に人々を襲うという作品です。似たような映画でジョン・カーペンターの『クリスティーン』もありましたが、本作の方が先です。で、これがオカルト映画とモンスター映画のミックスという、いかにも70年代的な題材なんですね。
アクション

『コンスタンティン』【冷静に指摘】ヘタな映画になってしまった2つの理由

こ、これは酷い…。 大スターを起用し莫大な予算を投じた大作ですが、根本的に映画として下手すぎます。 ずばりダメな点を2点挙げますので、本作がお好きな方はどうぞスルーしてください。
SF

『パッセンジャー』布教ビジネス?聖書メタファー・初級編

人気スター2人が主演し、莫大な予算を投じた超大作ですが、露骨に聖書映画になっていますね。もう誰が観たってそのようにしか見えないかと思います。なぜ欧米の映画はこんなにも聖書のメタファーが多いのでしょうか?
ドラマ

『ブラック・クランズマン』説明過多だ!ラスト5分が蛇足である理由

面白かったし、好きな部類の映画だったんですが、ラスト5分がスッゲェ蛇足で、全体の良さを損ねてしまったと感じました。そのお話をば。
サスペンス

『ディアボロス 悪魔の扉』アル・パチーノの顔面芸を例えるなら

公開当時はあまり評判にならなかった印象だったんですけど…これは面白いではありませんか〜。これ、ダンナ目線で描いた『ローズマリーの赤ちゃん』みたいな映画ですそれから、アル・パチーノの「大げさな顔面芸」は本作では遺憾なく発揮されている点もポイント高いです。
ホラー

『ローズマリーの赤ちゃん』(1968) 【永遠の謎】赤ちゃんはどんな顔をしている?

今回は本作の感想・考察ではなく、「謎」についての話です。この謎は長年に渡って僕の脳にこびり付いていまして、時々ふっと思い出しては「ありゃあ何だったんだろうな」と反芻するも答えが出ない話なんです。それはズバリ「ローズマリーの赤ちゃんはどんな顔?」です。
アクション

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』悪趣味!ファミリー向けSM映画

嫁(カンボジア人)が「何か面白い映画が観たい」と言うので、気軽に楽しめそうなこちらをチョイス。 僕は20年ぶりくらいに観ますけど、シリーズの中では本作がいちばん好きです。 その理由は、話が単純明快、アクションに次ぐアクションの連打、そしていちばん悪趣味だからですね。
ホラー

『ミッドサマー』(2019) 大傑作!心が満たされる失恋映画(かつ宗教映画)

心が満たされる「幸せ」なホラー映画でした。 先に言いましょう。僕の本作への評価は10点満点です。 ドギツイ残酷描写、性描写が含まれていますが、それに反して観ている間の僕はずっと「幸せ」でした。こんなに心が満たされる映画は久しぶり。『シン・ゴジラ』以来です。 ジャンルとしてはホラー映画に分類されますが、表現方法がホラーなだけで、複数の重要な裏テーマが存在します。それらの裏テーマに心が動くかどうかが評価のポイントな気がします。
SF

『シルバー・グローブ/銀の惑星』感想・考察:【難解】僕はこれをプログレと呼ぶことにした

大傑作『ポゼッション』(1981)のアンジェイ・ズラウスキー監督による「未完の」哲学SF大作です。異様すぎるヴィジュア...
ホラー

『へレディタリー/継承』感想・考察:【世襲制度】ホラー版お家騒動じゃ!

2019年の個人的ベスト1だった『ミッドサマー』のアリ・アスター監督による1本前の作品。ここでも彼個人のトラウマをホラ...
サスペンス

『ブリムストーン』感想:エログロ鬼畜西部劇、ただし愛嬌はなし

または、エログロ宗教映画ですね。信仰心という大義名分をもとに鬼畜の限りを尽くす牧師が登場します。 タイレンジャー...
ホラー

『Ghost Wife (英題)』(2018/タイ) 感想:タイ産、中高生向け心霊ホラー

カンボジアで上映される映画の中でもホラーは国内外作品問わず多数(人気)。 上映作品の半分近くはホラー映画なんじゃ...
ホラー

『マザー!』(2017) 感想・考察:バレてもいい【ネタバレ】聖書映画ではないという体裁

これはもうネタバレしても許されるでしょう(笑)。重層的な構造になっている本作は実に考察のしがいがある映画です。観客がど...
サスペンス

『デトロイト』感想:ある意味、ハッピーエンドな印象

米国での人種差別にたいする抗議デモや暴動は後を絶ちませんね。本作が描いた1967年当時と何も変わっていないのかもしれま...
ホラー

『哭声 コクソン』【感想・考察】横溝正史の金田一耕助シリーズを”逆”にしたような

ご覧になられた方々が口を揃えて「よく分からない」と言うように、僕もまたこの映画のことがよく分からないのです。ただ、本作...
アクション

『ハクソー・リッジ』【感想・考察】戦場の美談は白ける。メル・ギブソン特有のテーマとは

僕は話が綺麗すぎる戦争映画は好きではありません。本作もその部類ですが、メル・ギブソン監督が描く一貫したテーマが根底にあ...
スポンサーリンク