『子熊物語』 感想:【熊!】ナメてはいかん。自然と人間の共生を描く傑作だ

映画『子熊物語』の一場面 ドラマ
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これは驚くべき映画です。熊がまるで人間のように演技をしてます!

邦題からしてお子様向けかと思いきや、ぬるさの無い、力強い傑作でございました。

タイレンジャー
タイレンジャー

クマも風景も、映っているものが素晴らしいです!

作品概要

1988年製作/96分/フランス
原題:The Bear
配給:東宝東和
監督:ジャン=ジャック・アノー
原作:ジェームズ・オリバー・カーウッド
脚本:ジェラール・ブラッシュ
撮影:フィリップ・ルースロ
音楽:フィリップ・サルド
出演:チェッキー・カリョ/ジャック・ウォレス/アンドレ・ラコンプ ほか

母親を亡くした一匹の子熊が、大自然の苛酷な生活の中で成長してゆく姿を描く。製作はクロード・ベリ、監督は「薔薇の名前」のジャン・ジャック・アノー。ジェームズ・オリヴァー・カーウッドの原作を基に脚本は「愛と宿命の泉」のジェラール・ブラッシュ、撮影は「テレーズ」のフィリップ・ルスロ、音楽は「夏に抱かれて」のフィリップ・サルドが担当。出演はチェッキー・カリョほか。

映画.comより)

予告編

The Bear / L'Ours (1988) – English trailer

感想・考察(ネタバレなし)


そもそも本作には熊を主人公とした原作があり、それをもとにした脚本通りに熊に演技をさせて撮っているんですよねー。

なので、動物ドキュメンタリーによくあるように、たまたま撮れた映像を編集の工夫によって物語として再構築していくのではなく、完全に物語ありきなのです。

『ザ・ワイルド』では人間を襲う凶暴な熊を演じた「くまのバート」をはじめ、調教された熊を使って撮影しているのですが、それにしても山中にて熊に演技をさせるのは難易度の高い撮影ではないでしょうか。

もちろんCGは一切使われてませんが、一部はアニマトロニクスを使っているそうです。すごいな、全く見分けがつかなかったぞ〜。

なので、本作の最大の見どころは熊の迫真の演技に他ありません。これだけでも一見の価値ありです。

映画『子熊物語』の一場面

IMDbより)

物語も動物映画にありがちなあざとさや説教臭さは無く、シンプルで力強いです。

僕は幼い頃、人間のエゴによって犠牲になる動物たちを必要以上に悲劇的に描く映画(主に邦画)を見せられてトラウマになったりもしたものです。

しかーし、本作はバランス感覚に優れており、極端に人間を批判することもなく、熊も人間も自然界の中では等しく存在するのだと伝えているかのようですな。

映画『子熊物語』の一場面

IMDbより)

本作は大人から子どもまで皆が楽しめる間口の広い映画でして、子どもたちを必要以上に傷つけることはない安心な内容ですが、熊同士の交尾に子熊が出くわして気まずいそぶりを見せるという描写だけは要注意かと笑。 

あと、子熊が睡眠中に見る夢をストップモーションで映像化しているのが異色ながらも、アクセントとして効いていたんじゃないかなーと思います。子熊が毒キノコを食べて幻覚を見るという珍描写もまたご愛嬌でしたー。

なお、劇中で「撮影中に動物たちを傷つけるようなことはしなかった」とテロップが入ることも見逃せません。逆に監督が熊に襲われてケガしたみたいですけどね。

僕の評価

8点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

CGではない、ナマの動物の姿はやっぱり美しいですなぁ。親子で観るのもオススメ。

どうでも雑感

・それでも一体どうやって撮影したんだろうと思う場面の連続。メイキング映像が観たいなぁ。

鑑賞方法

あいにく2020年11月時点で『子熊物語』は動画配信されておりません。
DMM.comの宅配DVDレンタルにて鑑賞をすることができます。初月は無料です!

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