米国での人種差別にたいする抗議デモや暴動は後を絶ちませんね。本作が描いた1967年当時と何も変わっていないのかもしれません。
本作は白人警官が無抵抗の黒人市民を尋問&殺害した様子を見せつける映画ですが、ただひたすら重いというわけではありませんでした。

キャスリン・ビグロー監督の前作と比較してみた。
作品概要
原題:Detroit
2017年/アメリカ/142分
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
撮影:バリー・アクロイド
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ジョン・ボヤーガ/ウィル・ポールター/アルジー・スミス/ジョン・クラシンスキー/ジャック・レイナー ほか
「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。67年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。出演は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のジョン・ボイエガ、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールター、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」のアンソニー・マッキーら。脚本は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」も手がけたマーク・ボール。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
悲惨で重苦しいなか、最後に救いの光明が
思ったよりも、救いのある、優しい話だなと思った。
と言うのは、キャスリン・ビグロー監督の前作で僕が大好きな『ゼロ・ダーク・サーティ』と比べての話。
『ゼロ〜』は主人公が目的を達成するのだけど、何も残らないというドン詰まり感でいっぱいの結末だった。ビンラディン殺害という重大な任務を執念で成し遂げた!だけれど、米国はまた新たな報復を受けることになる。虚しい報復の連鎖に気づいた主人公はその先の道を見失うところで映画は終わっている。
対して本作はその真逆で、主人公が自分自身が進むべき道を見つけて終わる。例えそれが貧しくとも、もともと望んだ道とは違っても。自分の能力を活かす生き方を見出したのだから、ある意味ではハッピーエンドだ。
デトロイト暴動も、アルジェ・モーテル事件も、不当な判決も全てが酷いのだけれど、ラストシーンには「救いのある終わり方で良かったね」と思えた。『ゼロ〜』に比べたら圧倒的に優しい。全体が重苦しい内容なだけに、最後の救いの印象がよりいっそう強い。
あとは他の皆さんが書かれているのと同じような感想かな。三幕目の裁判の展開が1番面白かったかな。
(画像は映画.comより引用)
僕の評価
6点/10点

『ゼロ・ダーク・サーティ』のほうが好き。
どうでも雑感
・鬼畜警官役のウィル・ポールターはこんな役をよう演じましたわ。しばらく黒人街は歩けないのでは?
鑑賞方法
『デトロイト』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルなのでぜひ。
(2020年10月時点)

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