公開から20年。初めて鑑賞しましたー。
公開当時は僕は高校生で、本作は爆発的な大ヒットでしたよ。ゲオでもコンビニでもどこに行ってもエアロスミスの主題歌が流れていたし。
でも天邪鬼な僕は本作が纏う通俗的なオーラを嫌い、馬鹿にしていました。観ようともせずに。「泣ける!」と言われるほど、白けたんですよね。

偏見に満ちた導入ですが、実際に観てみてどうですかね?
作品概要
原題:Armageddon
1998年/アメリカ/150分
監督:マイケル・ベイ
製作:マイケル・ベイ/ジェリー・ブラッカイマー/ゲイル・アン・ハード
脚本:ジョナサン・ヘンズリー/J・J・エイブラムス
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:トレバー・ラビン
出演:ブルース・ウィリス/ビリー・ボブ・ソーントン/ベン・アフレック/リヴ・タイラー/ウィル・パットン/スティーヴ・ブシェミ/オーウェン・ウィルソン ほか
小惑星の接近で滅亡の危機に瀕した地球を救うべく宇宙に旅立つ男たちの死闘を描いたヒューマン・アドベンチャー。監督は「ザ・ロック」のマイケル・ベイ。脚本は「ダイ・ハード3」のジョナサン・ヘンスレーとロバート・ロイ・プールの原案を基に、ヘンスレーと「心の旅」のJ・J・エイブラムズが執筆。製作はベイと「コン・エアー」のジェリー・ブラッカイマー、「ターミネーター」のゲイル・アン・ハード。製作総指揮はヘンズレー、チャド・オーマン、ジム・ヴァン・ウィック。撮影は「ザ・ロック」のジョン・シュワルツマン。音楽は「イレイザー」のトレヴァー・ラビン。美術は「エイリアン3」のマイケル・ホワイト。SFX 監修は「アポロ13」のパット・マックラング。出演は「マーキュリー・ライジング」のブルース・ウィリス、「すべてをあなたに」のリヴ・タイラー、「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のベン・アフレック、「ビッグ・リボウスキ」のスティーヴ・ブシェーミとピーター・ストーメア、「ザ・ウィナー」のビリー・ボブ・ソーントン、「コピーキャット」のウィル・パットンほか。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
名作だけど賛否両論ですよね?
今になって思えば、これだけ有名なのにクッキリ賛否両論な映画も珍しいかも。
日本では大ヒットでも、米国ではゴールデンラズベリー賞に多部門でノミネート(最低男優賞と最低カップル賞を受賞)してますから。
肯定派は親子愛に涙し、男たちの熱いドラマに心打たれたという感想が多くて、一方、否定派はデタラメすぎる科学考証、ベタなストーリーを突っ込む感想が多いイメージです。
まぁ、どちらの意見もよく分かりますよ。
良かったのは、とにかく話のテンポが早くて飽きさせない点。
序盤でニューヨークに小型の隕石が落下してきて甚大な被害。さらに大型の隕石も接近と判明。落下したら人類滅亡。
で、いつ落下するの?
「18日後です」
→ええ~!! 時間なさすぎ!!という絶望のどん底に突き落とす畳み掛け方は上手かった。
この残り18日という設定が物語の展開の早さに貢献していて、あまり細かいことまで描かなくても多少は誤魔化せるという利点が。石油掘削員たちも宇宙に行くことに対してほとんど悩まずに即決だし(これには驚いた)。
とまぁ、小惑星でのトラブルに次ぐトラブルも含めて、手際の良い映画ではあります。多少の科学考証の粗は目をつぶれるかと。
(IMDbより)
エアロスミスの主題歌がメイン?
しかし、本作のMVPはどう考えてもあの主題歌です。あの主題歌が本作のイメージを決定付けたんですよね、良くも悪くも。
優れた映画には優れた音楽あり。過去の名作には映画の内容と音楽が相乗効果を生むパターンがありました。
ただ、本作の場合は映画の内容よりも主題歌の方が際立ってしまっている気がしますー。主題歌の良さが内容の疎さを補い、感動作に仕上げているような。
映画とその主題歌、ではなくて、
映画がその曲のプロモーションビデオであるかのような印象すらあります。
(ホイットニー・ヒューストンの主題歌が有名な『ボディガード』もこのパターンか)
だとしたら、本作は映画というよりも広告ですよねぇ。エアロスミスの曲の広告。
確かに『フラッシュダンス』以降はセリフではなく音楽がストーリーや心情を語るMTV映画が登場したので、本作はその流れを汲んでいるのかと。(プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーがよく使う手口)
あの主題歌の雰囲気からして「泣ける映画ですよ」というイメージ付けがなされて、作品中でも「ここが泣き所ですよ」みたいな泣かせ誘導があるのは個人的に好きになれないポイント。
(IMDbより)
大味、と言うよりも、ガサツ。
泣かせようとする割には登場人物の描き方が軽薄なのも残念。
例えば、ブルース・ウィリスが部下であるベン・アフレックに向けて散弾銃を発砲するという常軌を逸したシーンがある。
空に向かって威嚇射撃ではなくて、当たるか当たらないかくらいの狙いで。散弾だから、そんな狙いで撃ったら当たる可能性高いで…。
しかもそのシーンは「ここでクスッと笑ってね」くらいの雰囲気。笑えるか!
物語の展開やアクションに関しては手際が良かったものの、人間描写がガサツという印象。あとはやっぱり無理のある設定も。
大味な映画だからいいじゃん?
いや、大味であることと、ガサツであることは違うと思うんですよ。
だから本作が大ヒットしたのは、半分くらいはエアロスミスのおかげ。もしくは彼らを起用したジェリー・ブラッカイマーのおかげ。
なんて言ったら怒られるかな。
僕の評価
4点/10点

結論、本作は映画ではなく、エアロスミスの曲のプロモーションビデオです。
どうでも雑感
・序盤で松田聖子がチョイ役(タクシーに乗車した日本人観光客)で出演しているのは何の意味があったんですかね?
鑑賞方法
『アルマゲドン』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。

本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。
コメント
こんにちは!
アメブロからの読者です。
スティーブ・ブシェミの扱いがなっちゃいなかったので評価がダダ下がった映画でした。でも泣いたのは音楽ですね。ベン・アフレック以外はいい俳優さん揃ってました。よいお年を♪
むくむくさん、コメントをありがとうございました!
確かに本作ではブシェミの印象が薄いんですよね。
『ファーゴ』や『コン・エアー』とは違って本作での役柄が普通というか・・・。
「ベンアフ以外」というディスり、痛快ですね。僕の中ではベンアフは「イモ兄ちゃん」なので(今も?)。
むくむくさんも良いお年をおむかえください!