前作は個人的に大傑作だったけど、続編である本作の出来はあまり良くないっす。
でも、好きです。評価したい映画です。
何よりも評価したい(≒ 好きな)点は、異星人との戦いの舞台をラオスにしたこと。

ラオスってどんな国?なぜラオスが舞台?
作品概要
原題:Beyond Skyline
2017年/イギリス・中国・カナダ・インドネシア・シンガポール・アメリカ/106分
監督:リアム・オドネル
製作:マシュー・ショーズ/グレッグ・ストラウス/コリン・ストラウス
脚本:リアム・オドネル
撮影:クリストファー・プロブスト
音楽:ネイサン・ホワイトヘッド
出演:フランク・グリロ/ボヤナ・ノヴァコビッチ/イコ・ウワイス/ヤヤン・ルヒアン ほか
謎の生命体によって地球が侵略される3日間を、VFXを駆使して描いた「スカイライン 征服」の続編。「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」のフランク・グリロ、「ザ・レイド」シリーズのイコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアンら肉体派キャストが顔をそろえた格闘SFアクション。地球に出現した謎の未確認飛行物体により、人びとは次々と地上から吸い上げられていった。その結果、地球はわずか3日間で謎の生命体に征服されてしまった。息子のトレントとともに宇宙船に吸い込まれたロサンゼルス市警の刑事マークは、エイリアンへ変貌を遂げながらも人間の心を残していたジャロッドとの共闘によって、宇宙船の破壊に成功する。内戦が続くラオスに墜落した宇宙船から、ジャロッドの娘ローズとともに脱出したマークは反政府組織のボス・スアと共闘し、エイリアンに対抗する手がかりを見つけ出す。しかし、アジトの周辺はすでに大量のエイリアンたちに取り囲まれていた。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
そもそもラオスってどんな国?
「ラオスってなに?国なの?」と言われてしまうことがしばしばあるのですが、僕はすごく好きな国なんですよ。
ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、中国に取り囲まれた内陸国で、面積は日本の本州と同じくらい。人口は東京都の半分くらい。周辺諸国と比べても経済規模は小さい国です。
同じく小国カンボジアでも人口はラオスの約2倍はいます。

(青い丸の部分は僕が住んでいる場所です)
観光資源もさほど多くはないのだけど、穏やかでのんびりとした国民性が何よりの魅力ではないでしょーか。
ラオスはベトナム、カンボジアと同様にかつてはフランスの植民地でした。あまりにのんびりしたラオス人を見た当時のフランス人はこんな言葉を残しています。
「せっせと稲を刈るのはベトナム人、
稲が育つのを眺めているのがカンボジア人、
寝ながら稲が育つ音を聴いているのがラオス人」
とにかくラオス人はのんびりしてるぞ、と。
治安も良く、小乗仏教の国特有のおおらかさもあって、「なんか癒される」国なのは今も変わらない。合言葉はボーペニャン(だいじょうぶ)!な国です。
のほほーん、としてます。

なぜラオスが舞台?
ところが、本作はラオスを舞台にギャップを生み出しています。
癒しの国ラオスで、異星人とマッチョメンが血みどろの肉弾戦を繰り広げる!!
(C)2016 DON’T LOOK UP SINGAPORE, PTE. LTD
何というミスマッチ感!この発想は面白いですよ。誰もやったことがない試みですから。
では、なぜラオスが舞台なのかというと、
1. やはりミスマッチ感を敢えて狙った
2. 監督の奥さんがラオス出身である
3. ラオスには実際に反政府組織が存在する
なのかなぁと。
3.は本作中に登場する反政府組織が重要な役どころだし。
ベトナム戦争の時に米軍が投下した爆弾が今もなおラオスには不発弾として残っている、という話も出てきて「米国人、気まずい」な場面もありました。
ま、そんな歴史的背景もあってか、ラオスを舞台にした米国映画はこれが初めてではなかろーか。
ラオスにとっては快挙ですよ!
ロケ地はラオスではない??
だがしかし!
本作を見る限り、舞台はどう見てもラオスではなく、インドネシアです。
一般家屋の建築様式、生い茂る植物の種類、お坊さんが身に纏う袈裟の色に至るまで何もかもがラオスとは異なります。
クライマックスの舞台なんてジャワ島のプランバナン寺院以外の何物でもない。
↓実際のプランバナン寺院

イコ・ウワイスとヤヤン・ルヒアンはインドネシア人の俳優だし。
で、調べた結果、やはりロケ地はインドネシアでしたー。
世界遺産プランバナン寺院でも撮影してます。よく許可が下りたな。
なので、設定としてはラオスが舞台なんですが、映っているものはインドネシアだという認識でご覧くだせえ。
とは言え、ラオス人の役をインドネシア人が演じるのはおかしい!差別だー!なんて言うつもりはありません。クレーマーじゃないんだから。両国の違いを分かった上で、あくまで娯楽として観ればいいだけの話で。
「癒しの国の肉弾戦」ではなくなったものの、荘厳なるプランバナン(ヒンドウー教寺院)を背景にした巨大ロボ同士のバトルは絵的に非常に面白いです。
ロケ地がラオスではなくとも、やはり作り手の意図(ミスマッチ感を狙う)はちゃんと生かされていたんですな。
SFアクションが好きで、且つ東南アジアも好きな人にとっては夢のような映画です。ただ、脚本は雑ですがー。
『キングコング 髑髏島の巨神』がベトナムで大規模なロケを行ったように、東南アジア諸国がハリウッド映画の撮影の誘致に積極的になってきているのはとても興味深いです。
…。
ラオスもがんばれ。
今回はインドネシアに仕事を持って行かれちゃったね。
僕の評価
6点/10点

試みとしては非常に面白いアイディアでした!
ただ、やっぱり前作には及ばないなぁ。
どうでも雑感
・シリーズ3作目の『スカイライン‐逆襲‐』が2021年に公開予定だそうです!監督は本作のリアム・オドネルが続投。楽しみですね。
鑑賞方法
『スカイライン-奪還-』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。

本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。
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