戦争映画×人体実験ホラーなので、観る人を選ぶ映画ですね。
思った以上にグロくて、メジャー映画でよくぞここまでやったなぁと思う一方で、グロ描写にも「茶目っ気」が必要であることも再認識しました。
男は度胸、グロは愛嬌。
作品概要
原題:Overlord
2018年/アメリカ/110分
監督:ジュリアス・エイバリー
脚本:ビリー・レイ/マーク・L・スミス
撮影:ローリー・ローズ/ファビアン・ワグナー
音楽:ジェド・カーゼル
出演:ジョン・アデポ/ワイアット・ラッセル/ピルウ・アスベック/マティルド・オリヴィエ ほか
「スター・ウォーズ」「ミッション:インポッシブル」シリーズなど数々の話題作を手がけるヒットメイカーのJ・J・エイブラムスがプロデューサーを務めたサバイバルアクション。第2次世界大戦時、ナチス占領下のフランスの小さな村を舞台に、思わぬ敵と戦うはめになった米軍兵士の姿を描いた。第2次世界大戦下の1944年6月。ノルマンディー上陸作戦が開始された直後、ナチス占領下のフランスに、侵攻作戦の成功を担う重要な使命を帯びた米軍の落下傘部隊が送り込まれる。激戦を潜り抜けて経て生き残った兵士たちは、ナチスの要塞となった教会の塔に潜り込むが、地下にある謎めいた研究所でこれまで誰も見たことのない敵と遭遇する。監督は「ガンズ&ゴールド」のジュリアス・エイバリー。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
公開直前までは正体不明の映画だったんすよ、これ。
分かっている情報と言えば、
① かのJ・J・エイブラムスが製作を務める
② ポスタービジュアルが『クローバーフィールド』シリーズに似ている
…ことから、僕を含め多くの人が『クローバーフィールド』シリーズの最新作であると思っていた本作。
しかーし、いざ蓋を開けてみれば、本作は『クローバーフィールド』とはまったく無関係の戦争アクションホラーだった。
例えるならば、『ナバロンの要塞』みたいな第二次大戦が舞台の小隊ものと
『ZOMBIO/死霊のしたたり』みたいな人体実験ホラーの
ジャンルミックスなんですな。
もう、この時点で女性客の関心はゼロに近いだろうけど、実際に本作はかなりグロいので、客を選ぶ。
「戦争映画はニガテー!」や「ホラーむり~!」な人はどーぞお引き取りくだせえ。
そう。これは血と暴力に飢えた輩向けの映画。
ただ、そういう要素を好む僕でもちょいと引くくらい、本作は血生臭い。
グロ描写は一切の遠慮なし!ハリウッドのメジャースタジオ作品としてはかなり攻めたグログロ映画なのは間違いない。
僕好みの題材であったこと、映画そのものも手堅いエンタメ作品であったことから、それなりに楽しめた。
が、「グロ描写にちょっと引いた」ってのにはちゃんと理由がありまして、本作はグロ描写を緩和させるような不謹慎なユーモアが少し足りないんですわな。題材の割には演出がマジメすぎる感じで。
グロいもの、暴力的なものをそのまんま写実的に描くよりも、ユーモアを交えて、時にはチャーミングに描く方が表現としては面白いと思うんですよねぇ。
『時計じかけのオレンジ』で『雨に唄えば』をアカペラしながらレイプするシーンなんかがその代表例。
もう一つ例を出すと、本作と同じく”ナチスをぶっ潰そうぜ!”な『イングロリアス・バスターズ』も機関銃で撃たれた人体が粉々になるような凄惨なシーンがありながら、全体を包むオチャラケムード(ブラピがアホっぽくて可愛い)のおかげで「やりすぎw」くらいのテンションで観ることができるわけで。
もちろん、『死霊のしたたり』だってブラックな、とゆーか下品なユーモアに溢れていて可愛げのあるB級ホラーだった。生首が全裸の美女の体をペロペロするところなんか最高。
個人的な考えですが、映画が娯楽や芸術である以上は、グロはチャーミングであるべき。
写実的にやるのはドキュメンタリーの範疇だろうと。
というわけで、本作は戦争アクションホラーとして一定の満足感はあるものの、表現の部分でもう一つ工夫があれば、つまり、もっと可愛げのあるグロだったら良かったなーという映画でしたー。
楽しめるんだけど、ちょっと惜しい感じ。
僕の評価
6点/10点
内容の割りに演出がちょっとマジメ寄りだったのかな?
どうでも雑感
・紅一点のフランス人女性(マティルド・オリヴィエ)がなんとなく川口春奈に似ている。
鑑賞方法
『オーヴァーロード』はTSUTAYA TVで鑑賞できます。30日間お試し期間があるのでぜひ。
本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はTSUTAYA TVサイトにて
ご確認ください。
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