優しい男と、粗野な男の間で揺れ動く女。
ってパターンはなぜこうも多いのでしょうね?
しかもその2人のオトコが瓜二つの顔だったら?

このパターンは・・・アレですかいな?
作品概要
原題:L’amant double
2017年/フランス/107分
監督:フランソワ・オゾン
原作:ジョイス・キャロル・オーツ
脚本:フランソワ・オゾン
撮影:マニュ・ダコッセ
音楽:フィリップ・ロンビ
出演:マリーヌ・ヴァクト/ジェレミー・レニエ/ジャクリーン・ビセット/ミリアム・ポワイエ ほか
「スイミング・プール」「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、アメリカの女性作家ジョイス・キャロル・オーツの短編小説を大胆に翻案し、性格が正反対な双子の精神分析医と禁断の関係にのめり込んでいく女性の姿を、官能的に描き出した心理サスペンス。クロエは原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医ポールのカウンセリングを受けることに。痛みから解放された彼女はポールと恋に落ち、一緒に暮らし始める。ある日、クロエは街でポールに瓜二つの男性ルイと出会う。ルイはポールと双子で、職業も同じ精神分析医だという。ポールからルイの存在を聞かされていなかったクロエは、真実を突き止めようとルイの診察室に通い始めるが、優しいポールと違って傲慢で挑発的なルイに次第に惹かれていく。「17歳」のマリーヌ・バクトが主人公クロエ、「最後のマイ・ウェイ」のジェレミー・レニエが双子の精神科医を演じる。共演に「映画に愛をこめて アメリカの夜」のジャクリーン・ビセット。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
瓜二つの2人の男が登場する映画はだいたい、どちらかの女が寝取られる展開になる。
片方の男は「アイツの女を寝取ってやろう」と企て、
もう片方の男は「俺の女が寝取られるんじゃないか」と恐れる。
という事は以前にも書いたのですが↓
やはり本作も双子でそのパターンの話です (ドヤァッ!)。
でも、本作はそれが女性の視点で描かれる「寝取られたい願望」についての映画ですねー。
寝取られたい…。マゾヒスティックですな。
主人公のクロエは恋人ポールとの性生活に満足できていない。そもそも不感症らしい。だから、もっと満足させてくれる相手(ルイ)に惹かれてしまうんですわな。相手の顔が恋人と同じであるのをいいことに。
あら、やだ〜。フランソワ・オゾンが得意とする女性週刊誌っぽいネタじゃないですかー。
「実は彼氏の弟と…」っていうやつ。
やだわぁ、と言いながらも目が離せなくなります。
満足感を満たす為に性を浪費する、というのが話の核だと思うんですが、あれこれミステリー要素やホラー要素を付け足していった結果、複雑になってしまったかな?
オゾンはシンプルな物語でもしっかりと観客を惹きつけさせるだけの手腕のある監督だと思っていたので、そんなに添加物いっばいの話にしなくても良かったのに。女性が浮気するだけの話でも十分面白くなったはず。本作はちょっと盛りすぎた感がありますねぇ。
主演のマリーヌ・ヴァクトは美人だけど、ひょろひょろのモデル体型なので、脱げども脱げども全くエロくない。それはクロエが不感症だという役の設定のせいでもあるけど。『17歳』の時もそうだったなぁ。
「どうやったら気持ちよくなるんだろう?」と試行錯誤するセックス描写がバンバン出てくるのですが、AVばかり見ている高校生が実践する青いセックスのようで、やはりそそられない。
エロいものではなく、滑稽なものにしか見えないんですよね。監督の狙い通りだと思いますが。
ただ、エロシーンがそそられない反面、映画そのものは観客に対して挑発的です。冒頭で普通ならボカシが入るものが画面いっぱいに大写しになったりします。大写しすぎて何だか分からないのですが(笑)。
何が刺激的なものが観たい人はどーぞ。
僕の評価
6点/10点

個人的にはミステリーのタネ明かしにはあまりノレなかったです。
どうでも雑感
・マリーヌ・ヴァクトって実際にモデル出身の女優で、デビュー作がいきなりフランソワ・オゾンの『17歳』での脱ぎまくり主演だったんですよね。なんか、性には開放的だけど、まだ本当の悦びを知らない、みたいな役ばっかりだな。似合うけど。とりあえずヒョロヒョロなヌードが観たい人は本作と共に『17歳』はオススメでございます。
鑑賞方法
『2重螺旋の恋人』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。

本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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