『ターミネーター ニュー・フェイト』マンネリ化シリーズに提言!

映画『ターミネーター ニュー・フェイト』の一場面 SF
(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film
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まぁ、こんなもんでしょう(真顔)。 

僕は小学生の時に日曜洋画劇場で観たシリーズ1作目に衝撃を受け、以降すっかり映画鑑賞にのめり込むようになりました。 映画の魅力に開眼したのは『ターミネーター』のおかげといっても過言ではありません。シリーズ1、2作目は今でも僕にとっては格別の映画です。 

その一方で、間を置いてからリアルタイムで観た3作目以降は期待せずに観てもなお、失望の連続でした。 3作目以降はすべて「1、2作目へのリスペクトと称したパロディ」から脱却できていないのが問題なんですよ。 

残念ながら、6作目にあたる本作もその根本的な問題(シリーズの性質)は解消されてはいませんでした。


タイレンジャー
タイレンジャー

あまりにマンネリが過ぎるので、ドラスティックな変化が必要です。

作品概要

2019年製作/129分/PG12/アメリカ
原題:Terminator: Dark Fate
配給:ディズニー
監督:ティム・ミラー
製作:ジェームズ・キャメロン/デビッド・エリソン
脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー/ジャスティン・ローズ/ビリー・レイ
撮影:ケン・セング
音楽:トム・ホルケンボルフ
出演:マッケンジー・デイビス/アーノルド・シュワルツェネッガー/リンダ・ハミルトン/エドワード・ファーロング/トム・ホッパー/ブレット・アザー/ガブリエル・ルナ ほか

ジェームズ・キャメロンが生み出したSFアクション「ターミネーター」のシリーズ通算6作目で、キャメロンが直接手がけ、名作として人気の高い「ターミネーター2」の正当な続編として描かれる。キャメロンがプロデューサーとなり、「ターミネーター2」以来にシリーズの製作へ復帰。「デッドプール」を大ヒットさせたティム・ミラー監督が新たにメガホンをとった。人類滅亡の日である「審判の日」は回避されたが、まだ危機は去っていなかった。メキシコシティで父と弟とごく普通の生活を送っていた21歳の女性ダニーのもとに、未来から最新型ターミネーター「REV-9」が現れ、彼女の命を狙う。一方、同じく未来からやってきたという女性戦士グレースが、ダニーを守るためにREV-9と壮絶な戦いを繰り広げる。何度倒しても立ち上がってくるREV-9にダニーとグレースは追いつめられるが、そこへ、かつて人類を滅亡の未来から救ったサラ・コナーが現れる。リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーも28年ぶりにカムバックし、シリーズの顔であるT-800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーも出演。グレース役に「ブレードランナー 2049」のマッケンジー・デイビス、ダニー役にコロンビア出身の新鋭女優ナタリア・レイエス。

映画.comより)

予告編

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』本予告【新たな運命編】11月8日(金)公開

感想・考察(ネタバレなし)

唯一、キラリと輝く要素は

未来から最新型殺人マシーンがやって来て…という、もはや味の無くなったガムみたいなテンプレートを今だに使っている時点でダメですよ。そのパターンは3の時点でマンネリ化していたというのに、まだ悪あがきするか…。 

でも、本作が全然ダメかというと、否です。 「これは面白い!」と思える要素が1つありました。今回はその一点のみについて書きます。

非常に面白かったのは、目的を遂げたT-800が人間の妻子の義父になっているという設定。 

対象(ジョン・コナー)の抹殺という任務を終えたT-800は自らの正体を隠して「カール」と名乗り、長い年月をかけ人間について学習をしていたと。 夫のDVから逃れた母子を守り、その過程で人間の良心を理解し、その母子と共に慎ましくも平和に暮らしているという。 T-800の幸せなセカンドライフなぞ誰が想像しただろうか! 

でも僕が思ったのは、この話だけで2時間やった方が良かったんじゃないかと。 ダニーも、グレースも、REV-9も登場させずに、です。もう恒例のタイムワープ殺人アクションから離れて、T-800と母子が家族になるまでを描く人間ドラマ重視の小品のほうが観たかったです。 イメージ的にはターミネーター版『ロッキー5』(笑)。 

なぜ僕がT-800の「家族になろうよ」話を推すかと言いますと、それには理由がいくつかあります。

映画『ターミネーター ニューフェイト』の一場面

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

機械が人間の愛を学ぶというテーマ

機械が人間の愛(命の尊さ)を学べるのなら、人間にできないはずはない、ということですね。 『アリータ/バトル・エンジェル』の時も書きましたが、これは実にジェームズ・キャメロンらしいテーマ。『エイリアン2』のビショップ然り、『T2』然り、アリータちゃん然りです。 

なので、本作でT-800が人間について長年学習をしていたという設定は非常にキャメロン的であり、『T2』のテーマの発展系なんですね。 

このテーマの継承・深化こそが『T2』の正統な続編としての価値があると思うのですが、T-800が人間の良心を理解した過程を本作では台詞だけでサラッと説明。 超、勿体無かったですよ。この要素をもっと突き詰めて描いて欲しかったんです。 

「I won’t be back」のくだりで妻子と抱擁を交わす場面なんか、僕はあれだけでもグッときましたから。もっと描けるよ、この話は。

映画『ターミネーター ニューフェイト』の一場面

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

シュワちゃんには擬似父子関係が似合う

『T2』がモロにそうだったんですが、T-800とジョン・コナーとの関係性はまさに擬似父子。 

その後のシュワちゃんは『ラスト・アクション・ヒーロー』でも母子家庭で映画好きのダニー少年とも擬似父子関係っぽくなります。 思うに90年代の少年たちにとって、シュワちゃんは「理想のおとうさん」像の1人だったんじゃないかなぁと。そりゃあね、でっかくて、強くて、やることが豪快なお父さんには憧れますよ、男の子は。 

本作ではマテオ君という男の子の義父ということになっていますが、2人のやりとりがもっと観たかったぞ〜。 母親に暴力を振るう父親から守ってくれるT-800。これは男の子にとっては絶対にたまらない話になりますよ。 まぁ、2時間でやるなら『T2』のジョンとの関係性と同じにならないように、工夫は必要でしょうけどね。

映画『ターミネーター ニューフェイト』の一場面

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

3作目以降が果たせなかった「役割の転換」

『T2』が続編として見事だったのは登場人物の役割を転換させたことです。 

サラは狙われる側から守る側へ。T-800は殺す側から守る側へ。 これは続編としてのマンネリ対策と同時に、人間ドラマに深みをもたらしていました。 

しかし、3作目以降はシュワちゃんの役割が「守る側」からほとんど変わらないのがマンネリの主要因の1つです。 もし「2時間の家族ドラマ」をやるなら、T-800は妻子を守る側だけでなく、より大きな括りで「人間とはどういう生き物なのか」を探求する役割になりますね。 

ジョンを奪われたサラが復讐鬼となってT-800とその妻子を殺しにやって来る、という展開もいいかもしれません。この場合のサラは殺す側に役割変更…。(『T2』のダイソン暗殺未遂と被るかな…)

映画『ターミネーター ニューフェイト』の一場面

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

さいごに

以上、3つの理由でした。…ダダンダッダダンッ! 

ちなみに、本作は編集の段階でキャメロンとティム・ミラー監督の間で意見が衝突することが少なくなかったようです。その一例が、T-800が自らの正体を妻子に明かしていたかどうかで、キャメロンは「明かしていた」を、ミラーは「隠し通した」を主張し合ったとのこと。 明かしていたのなら、そこに至るまでのT-800の葛藤ドラマが描けるし、隠し通したのなら、その分のサスペンスやコメディ要素も入れられたと思います。 

やはり、もっと膨らませられるアイディアだったし、これ1つでも勝負できたと思わずにはいられません。 シュワちゃんの俳優としての新境地を切り開く一作として。

僕の評価

4点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

もう、ほんとアクションから脱却して人間ドラマを目指すべきだと思いましたね。

どうでも雑感

・宝塚の男役のようなマッケンジー・デイヴィスの佇まいは良かったんですけどね。その一方で21歳の女性ダニーに魅力が無さすぎました。

鑑賞方法

『ターミネーター ニュー・フェイト』は下記のVOD(ビデオ・オン・デマンド)にて配信中です。

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※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。

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