『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』空虚!スケバン連合の女子会

映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』の一場面 アクション
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ハーレイ・クインが可愛い。でもそれだけの映画なんですね。そういう意味では『スーサイド・スクワッド』とあまり変わらないかもしれません。

なんか、もっと「男どもを懲らしめるスケバン映画」みたいな感じかと思ったらそうでもないんですよねぇ。

タイレンジャー
タイレンジャー

なので、ちょっと狙いが不明瞭な映画だなぁという印象です。

作品概要

2020年製作/109分/PG12/アメリカ
原題:Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:キャシー・ヤン
脚本:クリスティーナ・ホドソン
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:ダニエル・ペンバートン
出演:マーゴット・ロビー/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/ユアン・マクレガー/ボヤナ・ノヴァコヴィッチ/ジャニー・スモレット・ベル/クリス・メッシーナ ほか

「スーサイド・スクワッド」に登場して世界的に人気を集めたマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが主役のアクション。悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスクと対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する。マーゴット・ロビーが自身の当たり役となったハーレイ・クインに再び扮し、敵役となるブラックマスクをユアン・マクレガーが演じた。監督は、初長編作「Dead Pigs」がサンダンス映画祭で注目された新鋭女性監督キャシー・ヤン。

映画.comより)

予告編

映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』US版本予告 2020年3月20日(金)公開

感想・考察(ネタバレなし)


映画として問題だと感じたのは、ハーレイたちが何を目的に闘うのかが不明瞭だということです。彼女たちはいったい何のために闘っているのか?

女性キャラクターたちがスケバン連合(スケ連)を結成して悪と闘うのですが、伏線が十分でないせいもあり、説得力に欠けるのですね。何となくチームが結成されて、とりあえず目の前にいる奴を倒すという感じです。

目的が見えないというのは、本作が思ったほどフェミニズム思想ではなかったから、だと考えます。
遡ると、本作はプロデューサーでもあるマーゴット・ロビーが「ハーレイ・クイン単独の映画を作ろう」とワーナー社に打診したところから始まります。

ハーレイの周囲には女性キャラクターたちが配置され、監督にも女性が起用されました。悪役はもちろん男です。

こうなった時点で近年のフェミニズム意識の高まりをある程度反映した内容になるだろうと予想しました。悪しき男どもをぶっ倒すという、女性たちにとって痛快な映画になりそうだな、と。MeToo運動にも見られたような、ちょっとしたフェミニズムの乱用みたいな雰囲気が事前に感じられました。

しかし、どうやら違ったようです。悪役はたまたま男なだけ。ハーレイたちが悪役を敵対視する理由は「男だから」ではないのです。

過剰なフェミニズムには引いてしまいますが、逆にメッセージ性がまるで無いのもどうか思ってしまいます。本作は後者です。

「女子会しちゃう?」みたいなノリでスケバン連合が結成されてもなぁ…。

闘う目的が明確でない、脚本も上手いようで上手くない、ユアン・マクレガーの悪役は似合わない、音楽の鳴らし方も効果的でない、全体的にただうるさいだけの爆竹みたいな映画でした。

そんな中、後のお楽しみと言えばハーレイちゃんを100%エロい目線で眺めることくらいしかありません。お色気サービスも欲しかったなぁ〜、なんて言うとまたフェミニストたちの怒りを買うんでしょうが。

なんだろ。例えば、ハーレイちゃんをはじめとするスケバンの面々が闇組織に拉致監禁され、強制的にシャブ漬けにさせられて、映画プロデューサーや男性アイドルたちが足繁く通う秘密クラブに売り飛ばされて乱行パーティー要因にされてしまうが、怒りの大脱走!最後は闇組織のボスにズバリ制裁!みたいな話だったら面白かっただろうなーと勝手に妄想。

僕の評価

3点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

あと、脇を固める他の女性キャラたちも、なんだか薄いんですよね・・・。

どうでも雑感

・ビョークの”It’s oh so quiet”を使用したこの予告編はイイ感じだったですけどね。本作はこの曲の良さには勝てず。

・『スーサイド・スクワッド』は世間が言うほど悪い映画だとは思いませんでしたが、やっぱりハーレイちゃんの魅力に依存する部分が大きかった印象です。今回もハーレイちゃん以外のキャラはあまり立っておらず、結果的に孤軍奮闘みたいになってしまってますが、ハーレイちゃんの魅力を前面に押し出すことの限界が見えたと思うのです。

・ユアン・マクレガーが悪役を演じると漂う小物感よ・・・。

鑑賞方法

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は下記のVOD(ビデオ・オン・デマンド)にて配信中です。

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※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。

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