『幸福の条件』(1993) 感想・考察:【怪作】お下劣なレディースコミック

映画『幸福の条件』の一場面 ドラマ
Photo by Paramount Pictures/Getty Images - © 2013 Getty Images
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「君の奥さんと一夜を共にしたいな。100万ドル払うよ」

なにこれ~?超ゲスいんですけど~(嬉)

ハリウッドの超一流のスタッフ、キャストが贈る豪華なゲス映画として、本気でオススメです!

タイレンジャー
タイレンジャー

断言します。この映画には【正しい見方】というものがあります。

作品概要

原題:Indecent Proposal
1993年/アメリカ/117分
監督:エイドリアン・ライン
原作:ジャック・エンゲルハード
脚本:エイミー・ホールデン・ジョーンズ
撮影:ハワード・アサートン
音楽:ジョン・バリー
出演:ロバート・レッドフォード/デミ・ムーア/ウッディ・ハレルソン/シーモア・カッセル/オリヴァー・プラット ほか

夫婦の間に1人の男が入って繰り広げる愛憎ドラマ。監督は「ジェイコブス・ラダー」のエイドリアン・ライン。製作は「ブラック・レイン」のシェリー・ランシング。エグゼクティヴ・プロデューサーはトム・シュルマンとアレックス・ガードナー。ジャック・エンゲルハードの原作を基にエイミー・ホールデン・ジョーンズが脚色。撮影は「危険な情事」のハワード・アサートンが担当。主演は「スニーカーズ」のロバート・レッドフォード、「ア・フュー・グッドメン」のデミ・ムーア、「ハードプレイ」のウディ・ハレルソン。

映画.comより)

予告編

Indecent Proposal (1993) Official Trailer #1 – Demi Moore Movie HD

感想・考察(ネタバレなし)

本作をどのように扱うべきか

本作は公開されるや大ヒットとなるも、一般的には評価が低く、その年のゴールデンラズベリー賞の最低作品賞を受賞している。

なぜ、本作の評価が低いかと言うと、たぶん真面目な映画だと誤解されているからだと思うんですねー。

「愛はお金で買えるのか」という問いかけと共に、真の夫婦愛を描く映画というような見せ方(宣伝)のせいですよ。

本当はそんなんじゃない!

週刊誌のネタになりそうなお下劣コメディとして観るべきです。

日本では『幸福の条件』なんて自己啓発本みたいな邦題がつけられているけど、原題はIndecent Proposal 。

直訳すると 「ワイセツな提案」 やで~。

カップルで観るよりも、飲み仲間と集まって「ええぞ~!デミちゃん、抱かれてまえ~!」と野次りながら観るのが楽しい映画かと。

だから、共感できるかとか、現実味があるかという観点ではなく、あくまで他人の醜聞として楽しんだ者勝ちだと思うんですね。

レディースコミックみたいなもんですよ。アメブロ内に広告を出しているような。

知人女性が「レディコミは展開がありえな過ぎるのが面白い」と言っていたけど、本作もまさにそんな感じ。ありえなさ過ぎて笑えるのです。

で、ハリウッド製レディコミだけあって、レッドフォードが演じる大富豪がね…札束で人妻を買い取るゲス男なのに、

超さわやかなんですよ。

エロい顔してるくせに…

たぶん、本作を観た女性の大半は思うでしょうね。

「ゲス大富豪、全然アリやん」と。

だって、金持ちで、ハンサムで、紳士で、仕事はできて、欲しいものは買ってくれて、サプライズをしてくれて、人前で褒めてくれて、一途で(これはウソ)…。

こんなん、旦那を捨てるやろ(真顔)。

映画『幸福の条件』の一場面

IMDbより)

全盛期のデミ・ムーア、無双

というわけで、ゲス大富豪の魅力にズブズブはまっていく人妻デミ・ムーア。

そのデミがトップ女優オーラが出まくっていて、生活に困窮している妻役には全然見えないんですが、

ハンサムなクズ大富豪に見初められるだけの説得力がありますー。

映画『幸福の条件』の一場面

IMDbより)

↑貧乏な嫁が庭いじりをしているシーンとは思えぬスタアのオーラと着こなし!そしてエロい!

やはり当時はデミの人気が絶頂だったせいか、本作はデミの美しさを最大限に引き出すという点で本当に優れています。

大富豪に口説かれるという展開上、作品内で何度もゴージャスなお色直しがあってデミはもはや着せ替え人形状態。

しかし、そこはスタア。肩出しドレスでも、野暮いスタジャンでも、圧倒的な美しさが際立つデミ、すげーわ。

映画『幸福の条件』の一場面

IMDbより)

↑「どーよ」と言わんばかりのスタア感。

今やすっかりイタいセレブと化した彼女ですが、本作は全盛期のデミがこれでもかと堪能できる一本。 ファンでなくとも目の保養になるでしょう。

強制ハッピーエンドが作品の歪さを強調

そんな見目麗しい登場人物とゲスい展開に目が離せなくなりますが、終盤はさすがに話の収拾がつかなくなり、かなり無理矢理な結末を迎えます。

ゲスゲス展開が爆進中だったのに、急に夢から覚めたかのように綺麗に終わらせようとするんですわ。

この強制ハッピーエンドも評価が低い理由のひとつだと思われますが、これは仕方がないでしょう。

美人妻が金持ちと不倫して終わりだったら、デミとレッドフォードのキャリアに傷が付くというスタアの事情もあるし。

だから、いくら不倫とは言え、最終的にはデミとレッドフォードが悪者にならないような配慮がされてあって、それが物語上の無理に繋がってしまっているだけですからね。

いずれにしても、「ゲス大富豪との火遊びは最高だよ?奥さん」という印象が強すぎるので、保守的ハッピーエンドなんか霞んでしまいますー。

ここまでやってくれれば、世の風紀を乱す怪作として充分です。

いやー、めっちゃ笑ったわ。

僕の評価

9点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

普通に観たら支離滅裂ですので、ゲス目線で楽しめるかどうかがポイントです。

どうでも雑感

・デミ・ムーアの映画ってほどんど観たことなかったんですが、本作を観て今更ながらファンになりそうです。本作でもけっこう際どい露出もあって、意外にもお色気サービス精神のある女優だったのかな、と。

鑑賞方法

『幸福の条件』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。
本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。

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