日本の映画やドラマにはありがちな物語展開というやつがあります。
あまりに同じパターンが多いもんだから、テンプレート化しているとも言えます。
本作もそんな使い古しのテンプレに溢れていて、いつまで同じことやってんだと思わずにいられぬ一本でした。
邦画のテンプレを知らないカンボジア人にとっては問題ない?
作品概要
2017年/日本/119分
監督:石川淳一
脚本:古沢良太
撮影:佐光朗
音楽:末廣健一郎
出演:新垣結衣/瑛太/広末涼子/瀬戸康史/永野芽衣 ほか
ドラマ「リーガルハイ」で知られる人気脚本家・古沢良太のオリジナル脚本作品。新垣結衣と瑛太がダブル主演を務め、卓球を題材に、男女混合ダブルス(ミックス)を通じて巻き起こる人間模様を描いた。幼い頃、卓球クラブを経営していた母のスパルタ教育により、天才卓球少女として将来を期待された多満子だったが、母の死後は普通の人生を歩んでいた。ある時、恋人を会社の新人社員に寝取られたことをきっかけに、逃げるように田舎に戻った多満子は、いまや赤字経営に転落した卓球クラブを立て直すことになる。そのために全日本卓球選手権の男女混合ダブルス(ミックス)部門への出場を目指すことになった多満子は、クラブに通う落ちぶれた元プロボクサーの萩原とコンビを組むのだが……。監督は、同じく古沢のオリジナル脚本作品「エイプリルフールズ」を手がけた石川淳一。2016年のリオデジャネイロオリンピックで男子シングルス銅メダルを獲得した水谷隼をはじめ、石川佳純、伊藤美誠ら本物の卓球選手も登場する。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ややネタバレ)
あるある、ダメな邦画のパターン
前半は楽しめるけど、後半はダメな邦画の典型。
思いのほか良かったんですよ、前半は。とにかくテンポが良くて、脇役にの背景にもちゃんと目配せしてあって、丁寧でソツがない印象。
ところが後半の展開は完全にテンプレなんですよ。悪しき邦画の。それも一体何十年使い続けているんだよっていう。
目標としていた大会を直前に、主人公に葛藤が生まれる。
↓
大会出場を諦める。
↓
ああ、主人公は来ないのね…と思いきや!
↓
当日になって「やっぱりやるー!」となって、ギリギリで会場に現れる。
これ、まじでテンプレ過ぎて呆れるぞ!
日本映画界にはこのテンプレに乗っからないといけないという暗黙のルールでもあるの?
邦画の暗黙ルールと言えば…
無駄な恋愛要素。
ちょっと前に観た『トリガール』もそうだったけど、スポーツ映画に恋愛要素をむりやりぶち込むな!
スポンサーが「恋愛要素も入れてちょ~」と言ってくるわけ?
恋愛要素が無い方がサッパリしていていいぞ!
あと、「がむしゃらにやるのがスポーツ」みたいな描き方、そろそろ止めません?
素人に近い主人公たちが日本トップクラスの選手たちと互角に渡り合うのだけど、論理も戦術もなく、がむしゃらに戦うだけでは卓球が現代的なスポーツに見えなくなってしまうんですわな。
やはりこれもテンプレの弊害か。
スローモーションで「ふぅぅぅんっ!!」みたいな描写ばかりじゃ、競技の本質が何もワカリマセーン。
卓球男女ペアという題材を扱うのなら、競技の奥深さを描いてほしかったなーと。
(C)2017「ミックス。」製作委員会
カンボジア人の反応やいかに?
さて、カンボジア、シェムリアップのJapanese Film Festival で本作を観たわけですが、観客は7割くらい入ってましたねー。
そして、ギャグにはちゃんと笑ってくれていてねぇ。概ね好意的な反応だったと思いますよ。
ガッキーのキスシーンではカンボジア人客の反応が
「はぁぁ~あ(笑)」
とか
「フゥーッ!」
とか
「ជ្អែម (あまーい) 」
なんて声が飛び交っておりました。
カンボジア人客の温かい反応に本作は救われたなぁ。
何度も言うけど、邦画はもっと東南アジアのマーケットを大事にしろよ!
僕の評価
3点/10点
邦画ってスポーツの本質を描くのが苦手ですよね。どうしても根性論になっちゃう。
どうでも雑感
・あ、でも俳優さんたちは良かったと思いますよ。「邦画のキャラクター」の枠を出てはいないんだけど、相当卓球の練習をしたんだろうなぁと。
鑑賞方法
『ミックス。』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。
本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。
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