『ボディ・ターゲット』【感想・ネタバレなし】名作テンプレートのヴァンダム映画

映画『ボディ・ターゲット』の一場面 アクション
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あー、ヴァンダム映画ね、ハイハイ。とスルーされてしまいそうだけど、これは意外にも良作。
公開時の宣伝文句にもある通り、“The best Van Damme movie ever !”  かもしれん。

タイレンジャー
タイレンジャー

ロザンナ・アークエットとの濡れ場もポイント

作品概要

原題:Nowhere to Run
1993年/アメリカ/94分
監督:ロバート・ハーモン
脚本:ジョー・エスターハス/レスリー・ボーム/ランディ・フェルドマン
撮影:デイヴィッド・グリブル
音楽:マーク・アイシャム
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ロザンナ・アークェット/キーラン・カルキン/テッド・レヴィン ほか

ある母子との出会いを背景に、護送途中に脱走した犯罪容疑者の男と悪徳土地開発業者との闘いを描くアクション・ドラマ。監督は「ヒッチャー」のロバート・ハーモン、製作は「ユニバーサル・ソルジャー」のクレイグ・バウムガーテンとゲイリー・アデルソン。「白と黒のナイフ」の故リチャード・マーカンド監督と「氷の微笑」の脚本家ジョー・エスターハスの原案を、エスターハスとレスリー・ボーム、ランディ・フェルドマンが共同で脚本を執筆。撮影は「キャデラック・マン」のデイヴィッド・グリブル、音楽は「リトルマン・テイト」のマーク・アイシャム、そして第2班アクション監督を「モー・マネー」のピーター・マクドナルドが担当している。主演は「ユニバーサル・ソルジャー」のジャン・クロード・ヴァン・ダム。他に、「ニューヨーク恋泥棒」のロザンナ・アークェット、「ホーム・アローン」のマコーレー・カルキンの実弟でもある「オンリー・ザ・ロンリー」のキーラン・カルキン、「飛べないアヒル」ノジョス・アックランド、「テロリスト・ゲーム」のテッド・レヴィンらが共演。

(映画.comより)

予告編

Jean-Claude Van Damme – Nowhere to Run Trailer [1993]

感想・考察(ネタバレなし)

『シェーン』×『E.T.』× ヴァンダム?

あらゆる物語には元になるテンプレートがあると思う。
本作はウィキペディアにも堂々と書かれているように、西部劇の名作『シェーン』の現代版だ。

『シェーン』テンプレートを用いた映画はかなり多くて、ニコラス・ウェンディング・レフンの『ドライヴ』もそうだと思う。ああ、『シェーン』テンプレの汎用性の高さよ。

『シェーン』は誰が観ても物語に入り込み易い、鉄板テンプレだ。
分かりやすい悪役、主人公は孤独な風来坊、主人公と人妻(や未亡人)との恋、勧善懲悪なアクション、主人公を父のように慕う少年、そして悲しいお別れ。シンプルな話の中にもアクション、恋愛、人間ドラマがバランス良く配合されている。

また、主人公の視点、母親の視点、少年の視点それぞれがあり、観客はいずれかのキャラクターに感情移入し易いようになっているのも「シェーン」テンプレの優れたところかな。そんなテンプレに忠実に沿った本作は普通に面白い。

今更この映画を観るのはヴァンダムのファンくらいかもしれないけど、むしろ本作はヴァンダムである必然はあまり無くて、アクションよりも物語をシッカリ見せる映画になっておりマス。

ヴァンダムがゴリゴリ前に出過ぎなかった結果、良いバランスに収まった部分もあると思う。なので、本当にヴァンダムが好きな人にとっては物足りないかもしれない。
まぁ、彼の無駄脱ぎは充分にあるので、お好きな方はご安心下さい。

そして、この映画は『シェーン』の他に『E.T.』のテンプレも用いられている。
農場に逃げてきた脱獄囚ヴァンダムが少年に「E.T.なの?」と声をかけられるシーンがあるくらいなので、本作は『E.T.』をかなり意識している。片親で、幼い妹がいて、という少年の家庭環境がなんとも『E.T.』的というか、スピルバーグ的というか。

そりゃあ『シェーン』でもあり、『E.T.』でもある本作は面白くない訳がない。

脱獄囚ヴァンダムが父親の居ない少年に慕われ、擬似家族のようになっていく展開はありがちだけども、素直にグッとくる。異邦人が寂しい少年にとって「欠けた家族」の代わりになるのはやっぱり『E.T.』っぽい。

最近はこういうシンプルで分かりやすい物語や演出が減っているので、今観ると逆に新鮮というか、映画の教科書のように思えるから不思議。本作が公開された90年代前半あたりまでの映画って物語や人物設定という土台がちゃんとできているものが多かったヨナーなんていうノスタルジー。

(画像はIMDbより引用)

僕の評価

7点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

派手さはないものの、シンプルに楽しめる作品です!ヴァンダムが苦手な人でも観やすいのでは?

どうでも雑感

下ネタには子供を上手く絡ませて中和させるという芸当もなかなか。ちなみに、脚本は『氷の微笑』のジョー・エスターハス。さすが!

・ヴァンダムと恋に落ちるシングルマザーを演じたロザンナ・アークエットがエロくていいですね~!オスの本能を刺激する女優だわ…たまらん。美人というよりは、個性的な顔立ちなんだけど不思議とそそられる。農場のシングルマザーにしては無駄にフェロモン出すぎだけどね。リュック・ベッソンの『グレート・ブルー』やデヴィッド・クローネンバーグの『クラッシュ』での彼女もフェロモンがムンムンだったので、他の出演作ももっと観てみようかな。

鑑賞方法

2020年10月時点で『ボディ・ターゲット』はアマゾン・プライムやビデオマーケットで動画配信されております。
また、DMM.comの宅配DVDレンタルでも鑑賞をすることができます。初月は無料です!

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