デコッパチで、しゃくれた顎、眉の薄い【般若】のような顔立ちのグレン・クローズがサイコなストーカーとして襲ってくるってだけで怖いです。
ま、でも本作はちょっと古典化してますね。悪女映画の先駆者的な存在ですからね。
個人的にはグレン・クローズよりも怖いものがありました。それは・・・。

あくまで男目線ですが。
作品概要
原題:Fatel Attraction
1987年/アメリカ/119分
監督:エイドリアン・ライン
脚本:ジェームズ・ディアデン
撮影:ハワード・アサートン
音楽:モーリス・ジャール
出演:マイケル・ダグラス/グレン・クローズ/アン・アーチャー/エレン・ハミルトン・ラトセン ほか
一夜の情事を楽しんだ既婚男性が、その相手から常軌を逸したストーカー行為を受ける姿を描き、第60回アカデミー賞で6部門にノミネートされたサスペンススリラー。ニューヨークで妻子と暮らす弁護士ダンは、自身が顧問を務める出版社のパーティで新人編集者のアレックスと出会う。翌日、出版社の会議でアレックスと再会したダンは、出来心から彼女と一夜を共にする。ダンは一度きりの関係のつもりだったが、運命の出会いと信じるアレックスは異常なほどの執着心を抱き、ダンと彼の妻子に執拗につきまとい始める。マイケル・ダグラスが主演を務め、グレン・クローズが狂気のストーカーを熱演。監督は「フラッシュダンス」のエイドリアン・ライン。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
悪女もの、ストーカーものの先駆的な映画。
当時はまだストーカーという言葉も無かったはずだし、悪女が男を追い詰める話が娯楽としては確率されてなかった時代かと思いますー。
スキャンダラスな内容とショッキングな展開で本作は空前の大ヒット。世の男性を震え上がらせ、浮気をする男性が激減したという。
本作が無ければ、その後の『ミザリー』も『氷の微笑』も『ゆりかごを揺らす手』も無かったかもしれない。特に90年代前半は悪女ブームだったと記憶しています。
ただ、本作はいま観るとちょっと凡庸に感じられますね。多くの模倣品を生み出した結果、先駆者であるはずが古臭い古典と化してしまったケースかと。(『ハロウィン』(1978)もその点で似たような印象)
本作はペットの件とか、最後の浴室の件とか、有名過ぎて一般教養のごとく引用されていますからね。もう既に広くネタバレしちゃってる訳です。現在のこの状況で、本作を観て魅力半減というのも仕方ないか…。
まぁ、それでも、「ひょえーっ!!」と悲鳴をあげたくなるようなシーンがありましたけどね。
で、個人的に一番怖かったのは、主人公が奥さんに浮気の事実を告白するシーン。
主人公は覚悟を決めて話したようだけど、この告白は精神力が問われるよ…。
グレン・クローズ演じる浮気相手からストーカー行為をされることよりも、奥さんに浮気がバレることの方が怖いですよ、僕は。
単に浮気がバレるだけでなく、その浮気相手が自分の家族に危害を加えようとしているとんでもない女なんだから。だから、主人公の浮気の告白シーンは胃が痛む思いで観てました。
が、本作の中では、主人公の告白の途中で奥さんが勘付いて「…寝たのね?」と。
おい、奥さんに先に言わせちゃダメだろー。
または、奥さんが先に言うように仕向けたのか?なんて思ってしまった次第。
確かに「浮気した」とはすっごく言いにくいのだけど、奥さんに先に言わせた時点で主人公も小さい男だな、と(笑)。
ここでもっと真摯に謝っていたら、観客が主人公の気持ちに寄り添えたかもしれないし、クライマックスに向けてのターニングポイントにもなり得たと思うんですが、なーんだやっぱりズルイ男だわーという印象だった。
まぁ、マイケル・ダグラスが真摯に謝罪しても信頼度ゼロなんですがー。(あくまで印象の話)
というわけで、グレン・クローズばかりに注目が集まりがちながら、個人的なハイライトは主人公の懺悔シーンでしたー。
僕の評価
5点/10点

今となってはありがちな話に見えてしまうのは残念。リアルタイムで鑑賞してみたかったです。
どうでも雑感
・グレン・クローズが美女って感じじゃなくて、メンヘラ設定ってのがすごいリアルな感じがしますね。女の方が積極的に誘ってきたから男もつい乗っちゃったって感じがよく分かります。
・本作以降、マイケル・ダグラスは『氷の微笑』と『ディスクロージャー』でも悪女に翻弄される役を演じることになります。自分の立場が弱くなるとすぐに逆ギレする演技が非常に似合っております。
鑑賞方法
『危険な情事』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルキャンペーンがあるのでぜひ。
本ページの情報は2020年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。

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