僕は古典の授業が苦手だったんですよね。当時は素晴らしい作品だったのでしょうが、いかんせん時が経ちすぎるとその作品の良さが風化したり伝わりにくくなったりするものです。ホラーの古典と言える本作もそんな印象の映画でした。

さすがに定番化しすぎたせいで。。。
作品概要
原題:Halloween
1978年/アメリカ/89分
監督:ジョン・カーペンター
脚本:ジョン・カーペンター/デブラ・ヒル
撮影:ディーン・カンディ
音楽:ジョン・カーペンター
出演:ジェイミー・リー・カーティス/ドナルド・プレザンス/P・J・ソールズ/ナンシー・キーズ ほか
15年前、包丁で自らの姉を殺害したマイケルが精神病院を脱走し、ハロウィンの夜に故郷に戻る。担当医ルーミスの追跡をよそに、白いマスクをつけ、包丁を手にしたマイケルは殺戮を繰り返すことに。ベビーシッターのアルバイトをしていた女子高生ローリーも命を狙われるが……。ジョン・カーペンター監督の名前を世界中に轟かせることになった大ヒット・ホラー。神出鬼没のマイケルのキャラクターは人気を博し、シリーズ化された。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
焦らし系の古典
いま観るとさすがに古典的すぎるなぁ…。
観ている間はまさに古典の授業を受けているような気分。
本作やそのシリーズがその後の数多くのホラー映画の礎になったのはよく分かる。
ただ、先駆者であるが故に、模倣され続け、年月と共に良くも悪くも「古典化」してしまったような印象。なぜ当時はウケたのかという解説が無いと、良さが分かりにくいというのはまさに古典。
『アンダルシアの犬』や『悪魔のいけにえ』『イレイザーヘッド』は今もなおブッとんでいて斬新だけど、本作は演出にあまりコダワリが感じられなかったり、過激ではない分、埋もれやすかったのかもしれない。
なので、今となってはどうしても伸びきったラーメンのように感じられてしまうのは残念。これはリアルタイムで観られなかった分、映画の鮮度はある程度落ちるので仕方がないのだけど…。それでも鮮度が落ちない映画こそが本当の名作だと思う。
で、最近の映画に比べると本作の物語の展開はほんとーにゆったりしていて、焦らし系ですね。
ブギーマン(マイケル)が登場してから事件めいた展開になるまでが長い長い。焦らされる焦らされる。
何か(殺人のことだけど)が起きそうで、なかなか起きないという焦らしプレイだけで、映画の半分が終わってしまうので、これはさすがに時間配分の設計ミスでは…と思ってしまう。まぁ、当時はゆったりペースの映画ばかりだと思うけど、それにしてもなぁ。
散々と焦らされた挙句、クライマックスは今ひとつ盛り上がりに欠けるので、どうしても「引っ張った割には…」という印象にはなってしまう。
しかし、かったるい部分にも、ちゃんと演出の意図は感じられます。ステディカム?で昼間の片田舎の日常を淡々と追う部分。ブギーマンの登場によって、少しずつ日常がズレていく違和感と気味の悪さ。殺人モンスターではなく、ストーカー的な恐怖感は本作の真髄ではないでしょーか。
あと、音楽はやっぱり素晴らしい。この音楽が映画の格を数段も上げているのは間違いない。
なにせ、この数日、僕の頭の中ではいつも本作のテーマ曲が流れ続けていて、離れない。
仕事中も、食事中も、朝に起きても、夜に寝る前も、ぜーんぶ「ハロウィン」のテーマ曲。もはや日常のテーマ曲に…。
ジョン・カーペンター監督は音楽家としての才能が突出してますね。
(画像はIMDbより引用)
僕の評価
5点/10点

模倣されまくった結果、古典化してしまったパターンですね。
どうでも雑感
・ブギーマンは今になって思うと米国版スケキヨですね。
鑑賞方法
あいにく2020年10月時点で『ハロウィン』は動画配信されておりません。
DMM.comの宅配DVDレンタルにて鑑賞をすることができます。初月は無料です!

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