『マンディンゴ』感想:ゲテモノ映画の傑作!黒人奴隷制度の実態をお下品に

映画『マンディンゴ』のポスター ドラマ
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お目当はのスーザン・ジョージ(のおっぱい)だったのだけど、そんなことはどうでも良くなるくらいに傑作だった…。もう、下世話すぎて最高の一本です!いや、内容が内容だけに最高というと語弊があるかもしれない。取り扱い要注意の映画です。

タイレンジャー
タイレンジャー

「黒人に魂などありません」・・・!?

作品概要

原題:Mandingo
1975年/アメリカ/127分
監督:リチャード・フライシャー
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
原作:カイル・オンストット
脚本:ノーマン・ウェクスラー
撮影:リチャード・H・クライン
音楽:モーリス・ジャール
出演:ジェームズ・メイソン/スーザン・ジョージ/ペリー・キング/ケン・ノートン ほか

19世紀半ば、専制的な貴族主義を誇りつつ奴隷制度にしがみつくしかない南部にあって、奴隷農場を経営する一族の栄光と没落の歴史を描く。題名の「マンディンゴ」とは、ハンサムで頑強な肉体を持つマンディンゴ族のことで、黒人奴隷の中で最も高価な値で売買されたという。製作総指揮はラルフ・サープ、製作はディノ・デ・ラウレンティス、監督は「スパイクス・ギャング」のリチャード・フライシャー、脚本はノーマン・ウェクスラー、原作はカイル・オンストット、撮影はリチャード・H・クライン、音楽はモーリス・ジャールが各々担当。出演はジェームズ・メイスン、スーザン・ジョージ、ペリー・キング、ケン・ノートン、ブレンダ・サイクス、ポール・ベネディクト、ロイ・プールなど。日本語版監修は清水俊二。イーストマンカラー、ビスタサイズ。1975年作品。

(映画.comより)

予告編

MANDINGO.trailer

感想・考察(ネタバレなし)

オブラートに包まずに黒人奴隷制度の実態を見せつける

時に、南北戦争前の米国。黒人奴隷制度が当たり前だった時代。 奴隷農場を経営する白人の親子が主人公。 根っからの黒人差別主義者である農場主をジェームズ・メイソンが怪演。 

「我が農場では14歳を超えて処女の黒人女なんぞおらん!」と豪語。と言うのは、彼が黒人の少女たちを犯して子供を産ませてるんですね。で、生まれた子供は売ってしまうという。

太った黒人の女中は「私は24人も産みましたから」「白人に処女を捧げるのは名誉なこと」と平然と言う。 

メイソンが「黒人に魂なんぞある訳ない!…よな?」と使用人の黒人男性に声をかける。使用人は快活に「はい!黒人に魂などありません」と答える。 

こういうのってタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』で初めて描かれたものだと思っていたけど、今から40年も前に包み隠さず描かれていたのには驚嘆。しかもその表現の過激さたるや、『ジャンゴ』の遥か上を行く。

映画『マンディンゴ』の一場面

(IMDbより)

黒人はペット扱い

白人農場主の息子は父親を喜ばせる為にいわゆる「黒人の中のサラブレッド」とされる”マンディンゴ”をプレゼントする。身体能力に優れ、力仕事で重宝されるだけでなく、黒人同士の見世物格闘技でも人気の「銘柄」だ。

「黒人の中のサラブレッド」なんて言うくらいだから、彼らが黒人を扱う感覚はペットや家畜に対するそれと同等だ。 息子はいい馬を可愛がる感覚で、ミードという名のマンディンゴの男の世話を焼く。一見、黒人に対して優しいのだけど、その接し方は人間に対するものでないのは明らか。 

息子は良家の娘(スーザン・ジョージ)を妻として迎え入れるも、裏ではエレンという黒人女性に夢中だ。彼がエレンを大事にするのは、性欲を満たしてくれるペットみたいなものだから…。 

自分の夫を奴隷女性に持って行かれた新妻は復讐のために”マンディンゴ” ミードを誘惑するのだった…。   

あらすじを書くだけで、チョット嫌な気分になるくらい、本作が描いている内容は重い。 だけど、黒人奴隷制度の実態が非常にリアルに描かれている点が素晴らしい。 


黒人奴隷制度って何?という質問に対する完璧な回答がこの映画じゃないかと思う。
 1975年当時にこんな内容の映画を作るのは相当な勇気と覚悟が必要だったかと。自らの過ちを認めたくない白人からの反発は必至だからだ。映画はヒットしたらしいが、批評的には散々なものだったそう。

映画『マンディンゴ』の一場面

(映画.comより)/(IMDbより)

ゲテモノであることに本作の価値がある

黒人奴隷制度を真っ向から描いたという点で非常に価値が高い映画である一方で、それとは異なった観点で本作を評価する人もいる。

「これはハリウッドの大手メジャースタジオが制作したゲテモノ大作だ。『ショーガール』みたいにね」ークエンティン・タランティーノ 

 僕が本作を評価したいのも、まさにこの点だ。「黒人奴隷制度を真っ向から描く」なんて聞くとキリッと真面目な社会派映画かと思うけど、とにかく話が下品。

後半の展開は昼メロばりの下世話さ加減だ。 「汚いものは、汚いままにお見せしましょう」という精神が、タランティーノが指摘する通り、ポール・ヴァーホーヴェンの作風に近いものを感じる。 

だって、 「白人女を抱いてみたいと思わな〜い?」とか

「そうよ!私は処女じゃないわよ!相手は兄だったわ!13歳の時にね!」 だからなぁ。

何度も言うけど、超下品!

でも、それが最高に面白いのだ。下品な展開が主人公一家の破滅にカタルシスをもたらしている。 もちろん、本作は黒人奴隷制度を批判する意図で制作されているし、僕もその点は同意だ。 ただ、本作が厄介というか面白いのは、真実を訴えるエログロって感じなんですよね。

(画像はIMDbより引用)

僕の評価

9点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

最後の「グツグツ釜茹で」まで衝撃の連続でした。

どうでも雑感

・スーザン・ジョージは『わらの犬』の頃に比べるとだいぶ痩せてしまっていたのは残念。健康的なふくよかさって大事。。。

鑑賞方法

『マンディンゴ』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルなのでぜひ。
(2020年10月時点)

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