舞台はロサンゼルスの高級住宅街ビバリーヒルズ。裕福な家庭に育ちながらも家族との間に距離を感じている男子高校生が主人公。 その家族が「ソサエティー」と呼ばれる集団の会合にて集団わいせつ行為をしているらしいという情報を耳にしてから、彼の周囲で不可解な事故が相次ぐようになる。
・・・という物語なのですが、何ともエログロな乱交シーンがあるので、お好きな方は必見です!

いちど聞いたら忘れられない「スクリーミング・マッド・ジョージ」という名前。
作品概要
1989年製作/アメリカ
原題:Society
配給:CFD
監督:ブライアン・ユズナ
脚本:ウッディ・キース/リック・フライ
撮影:リック・フィクター
音楽:マーク・ライダー フィル・ディヴィーズ
特殊効果:スクリーミング・マッド・ジョージ
出演:ビリー・ワーロック/デヴィン・デヴァスケス/エヴァン・リチャーズ ほか
自分だけが周囲の人間とかけ離れた社会=ソサエティーに入り込んでしまったと思い込む青年の目を通して描くサスペンス・ホラー。エグゼクティヴ・プロデューサーはポール・ホワイトとケイゾー・カバタ、製作はキース・ウォリー、監督は「死霊のしたたり2」(ビデオ発売)のブライアン・ユズナ、脚本はウッディ・キースとリック・フライの共同、撮影はリック・フィクター、音楽はマーク・ライダー、フィル・ディヴィーズが担当。出演はビリー・ワーロック、デヴィン・デヴァスケスほか。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
本作の見どころは終盤の酒池肉林グチャドロ乱行パーティーに他ありません。
パーティーの主催と参加者はビバリーヒルズ在住のおハイソな人々。「金持ちは貧乏人を食い物にする」という台詞にもある通り、金持ち連中が「人にあらざる者」としてグロテスクに描かれています。
そう、これは格差社会をホラーとして表現した映画なのです。 上流社会のおっさんやオバさんたちがローションまみれでヌルッルヌルになり、生贄となる人間(貧乏人、と言うか一般人)に群がり、ずずずいーっと養分を吸い取ります。 犠牲者は文字通り骨の髄までしゃぶり尽くされます。
哀れな生贄・・・。
ローションまみれでヌルヌルのおっさんが生贄の体内に手をねじ込むと・・・
フガフガ・・・
人体が著しく変形し、貪られていく様子はクライマックスに相応しく圧巻!
さらには人面肛門も登場!
上流社会の人間にはこんな芸当もできるんだぜ、と自慢なのか何なのか分からない異形アピールの連続です。
この独創的で悪趣味な阿鼻叫喚図を実現させたのが、特殊効果を担当したスクリーミング・マッド・ジョージという人物。
80〜90年代のホラー映画を漁っていると、ビデオパッケージには「特殊メイク担当はあのスクリーミング・マッド・ジョージ!!」と書かれてあるものをしばしば目にしましたが、かつての僕は「ふーん、そんな人がいるんだ」くらいにしか思ってませんでした。
しかし、今回調べて分かったのですが、ジョージは日本人だったのですね! 大阪府の出身で本名は谷譲治(たにじょうじ)。中学生の時にサルヴァドール・ダリのシュールレアリズム絵画に強烈な影響を受け、その後に画家を志して渡米し、特殊メイクアップアーティストとして様々な米国ホラー映画で名を馳せた人物とのこと。
ダリは僕も大好きなので、これには「なるほど!」と合点がいきましたね。ダリの代表作のひとつに「秋のカニバリズム」という絵画があり、2人の人物が互いを貪り食うかのようにドロドロに溶解して同化している様子を描いたものです。
サルヴァドール・ダリ『秋のカニバリズム』
これは本作の終盤の乱行パーティーにどこか似ています!ダリの影響を強く受けたジョージが彼なりにダリ的シュールレアリズムを再構築したのが本作なのではないでしょーか。 中学生当時のジョージ氏がダリの絵画を見て「スッゲエエエ!超クール!」と感激している様子が目に浮かびます。本作を観た後だと尚更です。
ジョージ氏のご尊顔↓
もちろん有名な方だと思うんですが、僕が不勉強でした。すんません!
僕の評価
6点/10点

終盤に至るまでの展開はすこしモッサリしてますが、80年代ホラーのテイストが好きな方は楽しめるはず。
どうでも雑感
・デヴィン・デヴァスケスがエロくてイイですね~。チラリとヌードもあります。
鑑賞方法
あいにく2020年11月時点で『ソサエティー』はVODによる動画配信されておりません。
アマゾンにてブルーレイが販売中です。
※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。
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