『ドールズ』(1987) 【童話ホラー】悪い奴らは殺(や)られてしまえ!

映画『ドールズ』の一場面 ホラー
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監督が『ZOMBIO/死霊のしたたり』『フロム・ビヨンド』のスチュアート・ゴードンとのことで、期待に胸を膨らませての鑑賞。

西洋人形たちが集団で人間たちをぶっ殺していくというホラーですね。

タイレンジャー
タイレンジャー

ただ、物語には童話のパターンが組み込まれてあるのがポイントです。

作品概要

1987年製作/アメリカ
原題:Dolls
配給:ベストロン映画
監督:スチュアート・ゴードン
製作:ブライアン・ユズナ
脚本:エド・ナーハ
撮影:マック・アールバーグ
音楽:リチャード・バンド
出演:イアン・パトリック・ウィリアムズ/キャロリン・パーディ=ゴードン/キャリー・ロレイン/ヒラリー・メイソン/スティーヴン・リー/ガイ・ロルフ ほか

人間たちを襲う人形の恐怖を描いたホラー映画。製作はブライアン・ユズナ、監督は「ZONBIO 死霊のしたたり」のスチュアート・ゴードン、エグゼクティヴ・プロデューサーはチャールズ・バンド、脚本はエド・ナハ、撮影はマック・アールバーグ、音楽はリチャード・バンド、特殊メイクはジョン・ビュークラーとMMIがそれぞれ担当。出演はイアン・パトリック・ウィリアムズ、ガイ・ロルフほか。

映画.comより)

予告編

Dolls (1987) – Official Trailer (HD)

感想・考察(ネタバレなし)


本作『ドールズ』は人形が物理的に人間を殺傷するという点で、『チャイルド・プレイ』(1988)の原型となったような映画ですね。

西洋人形たちが連携プレイで人間を鈍器で殴ったり、ノコで脚を切ったりというホラー映画です。

ただ、個人的に興味深かったのは人形よりも人間の登場人物です。

主人公は幼い女の子、ジュディ。彼女は子どもに無関心な父親と意地悪な継母と共に居心地の悪い生活をしていました。彼女は父親と離婚した母親と一緒に暮らしたいのですが、なかなか願いが叶いません。

もう1人の主人公は同じく屋敷に泊まることになった男、ガブリエル。彼は太った大きな身体とは裏腹に気が弱く、周りからバカにされていましたが、心は少年のように純朴な男でした。ガブリエルは2人の不良娘の言いなりで金ヅル状態です。

そんな2人が屋敷の異変にいち早く気づき、力を合わせるのです。

映画『ドールズ』の一場面

勇敢な少女と臆病な大男。すごく既視感のある組み合わせですね。

本作の話をザックリ要約すると、「意地悪な人々によって嫌がらせを受けていた心優しき2人が最後に幸せになる」というものです。

これって完全に童話のパターンですよね。意地悪な人々は痛い目にあって(惨殺)、心優しい人々はいつまでも幸せに暮らしましたとさ、なんです。子ども向けの教訓の要素も感じます。

なので、全体的には「ホラー要素の強い童話」という印象が強い映画でした。

個人的には、やはりデブで気弱なガブリエルに感情移入しちゃいましたね。人形を大事にする子どもがそのまま大人になったような…いや、大人になりきれてない人なんです。

幼いジュディに励まされるくらい情けないガブリエルが、徐々に擬似父性愛を発揮していく過程は応援せずにはいられません。

映画『ドールズ』の一場面

エログロだったゴードン監督の前作『死霊のしたたり』や『フロム・ビヨンド』と比べると内容的にはやや肩透かしを食いますが、「童話ホラー」というコンセプトなのだと思えばそこそこ楽しめます。

悪い奴らはみーんな殺(や)られて、めでたしめでたし。

僕の評価

6点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

グロ描写や人形の不気味さは控えめながらも、最後はホッコリしますね。

どうでも雑感

・個人的にはクマのぬいぐるみが巨大化する場面がハイライトでした。

鑑賞方法

あいにく2020年12月時点で『ドールズ』はVODによる動画配信されておりません。

※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。

スチュアート・ゴードン監督作品

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