イタリアのホラー映画(と言うか、グロ映画)の巨匠、ルチオ・フルチ監督によるゾンビ映画です。
いや~、これが素晴らしい映画でして、超ニッチなコンセプトを貫いていて他のゾンビ映画との差別化に見事に成功しているのです。

やっぱりCGではなく、手作りのグロ描写はイイな~。
作品概要
1981年製作/87分/イタリア
英題:The Beyond
監督:ルチオ・フルチ
脚本:ルチオ・フルチ/ダルダーノ・サケッティ/ジョルジオ・マリウッツォ
撮影:セルジオ・サルヴァーティ
音楽:ファビオ・フリッツィ
出演:カトリオーナ・マッコール/デヴィッド・ウォーベック/アントニー・セイント=ジョン/サラ・ケラー/ヴェロニカ・ラザール ほか
ルチオ・フルチが『サンゲリア』『地獄の門』に続いて発表したゾンビ映画第3弾。冒頭の凄惨なリンチシーンをはじめ、硫酸で顔面が溶ける、蜘蛛の大群が人肉を喰らう、犬に喉笛を噛み切られる、ゾンビの頭を拳銃で吹っ飛ばすなど、残酷シーンが満載である。『地獄の門』に「ダンウィッチ」が舞台として使用されたのと同様、本作でもクトゥルフ神話に登場する架空の魔術書『エイボンの書』が重要なファクターとして使用されており、物語自体もラヴクラフト作品へのオマージュとなっている。
(Wikipedia より)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
本作のグロ描写は素晴らしいです。
何がそんなに素晴らしいかと言うと、【顔面破壊】に特化していることが素晴らしいのです。
本作は『オーメン』のように関係者が続々と命を落としていく展開なのですが、そんな中でも顔面および頭部を著しく損傷して死に至った人が9割です。
・硫酸をかけられた顔がドロドロになる×2
・銃弾により頭部の半分が吹き飛ぶ
・杭が頭部を貫通
・手で顔面を圧迫され眼球が飛び出す
・ガラスの破片が顔面に突き刺さる
・飼い犬に首や顔面を喰いちぎられる
・タランチュラに顔面を喰いちぎられる(え?)
(IMDbより)
なぜそんなに顔面破壊にこだわるのでしょーか?
例えばゾンビ映画の場合。ゾンビは頭部を破壊しないと死なないという設定ゆえに、顔面破壊が多く登場するのは分かります。が、本作には顔面破壊の設定も理由も必然もありません。
特定の狭い要素に特化するような極端な映画はたまにありますが、顔面破壊に特化した映画なぞ前代未聞だと思います。
ルチオ・フルチ監督と言えば『サンゲリア』(原題は”Zombie”) が有名だと思いますが、あれも尖った木片が眼に突き刺さるという印象的な顔面破壊シーンがありましたね。
あのシーンをさらに増強させて10倍のボリュームでお届けするのが本作、という感じです。
きっと『サンゲリア』の顔面破壊シーンが評判になったのか、または作り手がその道(?)に目覚めたのか、だと思います。
てな感じで、グロ描写こそが肝である本作は案の定と言うか、物語はまぁー適当ですね。お弁当に例えると、グロ描写がお弁当の中身で、物語はそれらを仕切ったり収納したりする箱に過ぎません。
それを踏まえて観れば、大いに楽しめる顔面破壊ショーです。
グロいとは言っても、時代を感じさせる手作り感溢れるものなので、リアルなグロさではなく、フィクションとして適度な距離感で楽しめるのもイイですね。
では、あなたはどの顔面破壊シーンがお好きですか?
僕が好きなのは2回目の硫酸のシーンですね。硫酸と体液と血液がドロドロに溶け合ったものが生き物のようにジワ〜ッと動くのが最高でした。
都合よく置いてあった硫酸が流れて顔面にジョボジョボジョボ…
皮膚がジュワジュワ溶けて・・・
色んなモノが混じった液体がじんわりと床に広がっていく・・・
じわじわじわじわ・・・意思を持った生き物のように。
思わずウットリするようなグロ描写です。
もう、こんな調子で顔面破壊の話題だけでも十分に間が持つ映画なんです。
白眼の美女とか、ゾンビ軍団とか、あちらの世界とか、魅力的な要素は他にも色々とあるのですが、偏執的な顔面破壊へのコダワリこそが本作を唯一無二の境地に押し上げているのは間違いありません。
僕の評価
8点/10点

「顔面破壊に特化する」という誰もやらなかったことをやりきったのは素晴らしい!
どうでも雑感
・白眼の美女がシェパード犬と共に道路のど真ん中に佇んでいる様子はアート的な美しさを感じさせますね。ところどころ、ハイセンスな要素があったりするから本作は謎です。
・ルチオ・フルチ監督の前作『地獄の門』も観たいんだよな~。
鑑賞方法
あいにく2020年12月時点で『ビヨンド』はVODによる動画配信されておりません。
DMM.comの宅配DVDレンタルにて鑑賞をすることができます。初月は無料です!

※本ページの情報は2020年12月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。
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