『ベイビー・ドライバー』【感想・ネタバレなし】暗いほうのオタクには合わない、軽薄な映画

映画『ベイビー・ドライバー』の一場面 アクション
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オタクにも明るいオタクと暗いオタクという分け方がありまして、後者にとっては本作を観るのはしんどいんじゃないかなぁ、と。
一般的には高く評価されている映画ですが、確実に観る人を選ぶと思います。僕がそう思う理由について書きましょうかね。

タイレンジャー
タイレンジャー

エロ、グロ、ゲスを好む僕は暗いほうのオタクです。

作品概要

原題:Baby Driver
2018年/アメリカ/113分
監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト
撮影:ビル・ポープ
音楽:スティーブン・プライス
出演:アンセル・エルゴート/リリー・ジェームズ/ケビン・スペイシー/ジェイミー・フォックス/エイザ・ゴンザレス ほか

「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」などで知られるエドガー・ライト監督が、音楽にのりながら驚異の運転テクニックを発揮する若きドライバーの活躍を描いたオリジナル作品。天才的なドラインビングテクニックで犯罪者の逃走を手助けする「逃がし屋」をしているベイビーは、子どもの頃の事故の後遺症で耳鳴りに悩まされているが、音楽によって外界から遮断さえることで耳鳴りが消え、驚くべき運転能力を発揮することができる。そのため、こだわりのプレイリストが揃ったiPodが仕事の必需品だった。ある日、運命の女性デボラと出会ったベイビーは、逃がし屋から足を洗うことを決めるが、ベイビーの才能を惜しむ犯罪組織のボスに脅され、無謀な強盗に手を貸すことになる。ベイビー役は、「きっと、星のせいじゃない。」で注目された若手俳優のアンセル・エルゴート。ヒロインとなるデボラを「シンデレラ」のリリー・ジェームズが演じるほか、ケビン・スペイシー、ジェイミー・フォックスといった実力派ベテラン俳優も共演。

(映画.comより)

予告編

『ベイビー・ドライバー』2018年1月24日Blu-ray &DVD & UHD発売/同日Blu-ray&DVDレンタル開始

感想・考察(ネタバレなし)

エドガー・ライトは明るくて軽いオタク

僕は全く気に入らなかった。

 エドガー・ライト監督の旧作は以前にも観たことがあります。『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ワールズ・エンド』の2本です。残念ながら、どちらも登場人物に全く魅力を感じることがてきず、物語で何が起きようとも関心が持てませんでした。

話だけ聞くと面白そうだし、オタクなダメ人間たちが奮闘する話なので、応援したくなりそうなものだけど、何故か入り込めない。

ライト監督は相当なオタクらしいが、明るくて軽いオタクだなと思う。
確かに彼の映画の主人公は皆オタクですが、不思議と映画そのものからは屈折というか、鬱屈とした感じがありません。 なので、暗いオタクに部類される僕とは相入れないタイプの人なのだろうと思いましたね。オタクでもこういう奴に限って、女を口説くのが上手かったりする(これは言い過ぎか)。今後、彼の映画が僕のハートを貫くことは無いだろうと思っていた。 

しかしながら、本作は米国では非常に高い評価を受けており、音楽とカーアクションがミュージカル風にシンクロするというアイディアには単純に興味がありました。なので、半信半疑ながらも観ることにした次第です。 

明るい人間特有のノリ

それでも結果としてはやはり合わず、映画の中盤あたりから「早く終わらないかな」とストレスを感じながら観ることに。 ストレスの原因は今回も同じだった。登場人物がどうでも良い連中ばかりなのだ。 

そして、やはり本作は明るかった。 主人公が音楽を聴きながらミュージカル風に踊ったり、口パクをしたりするのだけど、これがいかにも明るい人にしかできないそぶりなのです。もちろん、暗い人も踊ったり、口パクではしゃぐ時もありますが、こうはならない。 

「一体どうやったら人前で何気なく、屈託無く、歌い出したりできるのだろう?」というのは明るい人に対する長年の謎であり、僕との大きな隔たりであります。 主人公カップルのベイビーとデボラはまさにそんな感じ。まず、これが大きな溝です。 

では、青臭い主人公カップルはどうでも良いとして、悪役はどうかというと、これが中年DQNみたいな人ばかり。思慮深さのカケラも無い。暗い人にDQNの気持ちが分かる訳もなく。 エドガー・ライトはオタクの皮を被ったDQNだったのかもしれないな、と。

細かいことを言うと、冒頭で主人公が乗る車が逃走には不向きとしか思えない真っ赤な車というのが、ノレない。 

そもそも映像と音楽がさほどシンクロしていない

音楽と登場人物の動きがシンクロするというアイディアは2時間の枠の中では飽きますね。中盤のリズムに合わせて銃を発砲バンババンってのにはうんざりしました。そもそもこういうのはミュージックビデオに見られる手法ですよね。まず楽曲があって、それに合う映像を作るのですが、リズムに合わせてカットを切り替えたり、ドラム音に合わせてガラスが割れる映像を入れたりと、個々の音に対応する細かい映像の積み重ねが気持ちいいのがミュージックビデオです。

そういう点で言うと、ミュージックビデオに比べると映像と音楽のシンクロ率は低いと思います。 そして、肝心の音楽そのものも自分の好みとは合わないものが多かったですねぇ。

(画像は映画.comより引用)

僕の評価

2点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

感性の問題ですが、僕には合わない映画でした。明るくて軽いタイプの映画がお好きな方には合うかな?

どうでも雑感

・本作で使用された楽曲群の中で唯一好きなのはFocusの”Hocus Pocus”。リメイク版『ロボコップ』でも使用されてましたね。カッコ良すぎです!

Focus – Hocus Pocus Live '73

鑑賞方法

『ベイビー・ドライバー』はU-NEXTで鑑賞できます。31日間無料トライアルなので、「とりあえず無料で観てみっか」という方はぜひ。
(2020年10月時点)

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