『リトル・ミス・サンシャイン』でアラン・アーキンが演じたお爺ちゃんは「若いうちは女とヤリまくれ。悔いの無いようにな」と若者に呼びかけていました。
底なしの性欲を抱えた老人たちの情念がモンスター化したような映画が本作にあたると思います。
週刊誌の見出しでもよく目にするアレですね。
作品概要
1986年製作/アメリカ
原題:From Beyond
配給:ベストロン
監督:スチュアート・ゴードン
製作:ブライアン・ユズナ
原作:H・P・ラヴクラフト
脚本:デニス・パロリ
撮影:マック・アールバーグ
音楽:リチャード・バンド
出演:ジェフリー・コムズ/バーバラ・クランプトン/ケン・フォリー/テッド・ソレル ほか
脳の研究を進める科学者の許を訪れた男女が体験する恐怖。監督は「ZOMBIO 死霊のしたたり」のスチュアート・ゴードン、エグゼクティヴ・プロデューサーはチャールズ・バンド、製作はブライアン・ユズナ、原作はH・P・ラヴクラフト、脚本デニス・パロリ、音楽リチャード・バンドがぞれ担当。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
週刊誌でよく目にする特集記事と言えば…
「死ぬまでセックス!」
「死ぬほどセックス!」
ですよねぇ。
「20代を抱いて死にたい」
なんてのもあったなぁ。
週間ポスト、週間現代あたりは団塊の世代をターゲットに、これらの特集記事を組むようになってから売り上げが伸びたのだそうな。
バイアグラよりはるかに利便性の高いED治療薬(シアリスとか)がクリニックで簡単に手に入る時代ですからねぇ。日本経済をまわす高齢者の性欲、恐るべし!
80年代のB級ホラー映画である本作を観ながら、ふとそんなことを思い出しましたよ。
と言うのも、本作はそんなジジイの底知れぬ性欲をホラー化したような映画だからです。
研究所で惨殺された老博士というのは実は不能で、裏では若い女性にSM行為を働くことに愉しみを見出す男だったんですね。
惨殺後、異次元へと旅立った老博士はグロ〜いお姿になって再登場!
博士のお目当は事件の調査のため研究所にやって来た美人すぎる医者。
(IMDbより)
グロ博士の登場に恐れおののく女医。
女医「博士!何をするつもり!?」
老博士「キスがしたいのだ〜」
(…なんと間抜けな台詞だろう)
きゃぁぁぁあああ!!!
てな調子がずーーーっと続く映画です。
いやぁ、映画って本当にいいもんですね。
古くから、美女が邪悪なものに辱めを受ける映画は多い(潜在的に人気がある)んですが、本作の監督スチュアート・ゴードンはその手の名手と言っていいでしょう。
なんと言っても、生首が裸の美女をペロペロする『ZOMBIO 死霊のしたたり』(1985)を撮った男ですから。
この映画もまたエロジジイが若い女性を襲うという話で、基本的にやっていることは同じです。
生首ジジイにペロペロされた美女を演じたのはバーバラ・クランプトン。『死霊のしたたり』の翌年に製作された本作では女医の役を演じてまして…。
お約束というか…案の定、こんなヒドイ目に…。
オエーーッ!キモーーーッ!!
バーバラ・クランプトンはキモいジジイにペロペロされることに特化した女優ですね(褒めています)。
あと、照明が安い風俗店みたいにピンク色なのがまた…なんとも趣がありますな。
これだけで終わらず、本作では死ぬほどセックスがしたいジジイのキモさが徹底的に描かれます。クライマックスでは老博士が進化?して物体Xに!
(IMDbより)
「チュウがしたいのら〜〜」
もう文字通りの淫獣ですよ、淫獣。
「こんなバケモノと一緒にすな!」とご高齢の男性諸氏からお叱りを受けそうですが、あくまで例え話ですからね。衰え知らずの性欲の滑稽な一面を風刺した映画だということですー。
上映時間はたったの89分。楽しいグチャドロ映画なのでオススメです。
僕の評価
8点/10点
エログロ、最高!まさに僕好みの映画でした。
どうでも雑感
・80年代のホラー映画の特殊効果は匠の技と言いたくなるものばかりですね。どの映画も独創的なグチャドロがあった時代だったと思います。
・バーバラ・クランプトンが痴女化するシーンは完全にサービスですが、よくやった!と言いたい場面でした。
鑑賞方法
あいにく2020年11月時点で『フロム・ビヨンド』はVODによる動画配信されておりません。
アマゾンでブルーレイが販売中です。
※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。
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