無事にゴールインを果たし、幸せな新婚生活を送るアナとクリスチャン。カネにモノを言わせて豪遊。ヤリたい盛りの2人。…妊娠。…そして、忘れた頃に少しサスペンス。
大富豪イケメンとの「にわかSM」シリーズもいよいよ第三弾にして完結編です。

完結編だから、それなりの起伏のある話は用意してるんでしょうね?
作品概要
2018年製作/105分/R15+/アメリカ
原題:Fifty Shades Freed
配給:東宝東和
監督:ジェームズ・フォーリー
原作:E・L・ジェームズ
脚本:ナイオール・レナード
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジェイミー・ドーナン/ダコタ・ジョンソン/タイラー・ホークリン/エリック・ジョンソン/アリエル・ケベル ほか
巨大企業の若きCEOと純粋な女性の特異な恋愛を過激な描写で描いたE・L・ジェームズの世界的ベストセラー「フィフティ・シェイズ」シリーズを原作とする官能ラブロマンス3部作の最終章。様々な困難を乗り越え、ついに夫婦となったクリスチャンとアナ。ゴージャスで幸せな新婚生活を送っていた2人の前に、新たな脅威が出現する。クリスチャン役とアナ役のジェイミー・ドーナンとダコタ・ジョンソンをはじめ、クリスチャンの母役のマーシャ・ゲイ・ハーデン、妹役のリタ・オラらおなじみのキャストがそろう。「パーフェクト・ストレンジャー」のジェームズ・フォーリー監督がメガホンをとり、前作「フィフティ・シェイズ・ダーカー」と本作を同時進行で撮影した。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
こりゃあ全編エピローグですねぇ。
平凡な女子がSM癖のあるイケメン大富豪と恋に落ちて…というシリーズ第3弾にして完結編です。
1作目は「SM契約」を交わすのかどうか、が話の焦点で思いのほか楽しかったのですが、2作目はメインとなる話の焦点を設けられず、行き当たりばったり感の強い物語になってしまっていました。
2作目にして既に話のネタが尽きた訳ですが、それでも作った3作目は一体何を描くのかという大きな課題をクリアせねばなりません。そしてこれには全く期待が持てませんでした。
で「その手があったか!」と思わず膝を打つような起死回生のアイディアが本作には・・・あるわけもなく。全く中身の無い、軽薄な時間のみが過ぎ去る一本に仕上がっています。
言うなれば、見せ場を見せ切った後のエピローグだけを延々2時間も観せられているような感じです。映画の宣伝文句でよくある「全編クライマックス!」ではなく、「全編エピローグ!」なのです。
1作目の時点では全米の女子をザワつかせたイケメンとのSM行為ですが、本作においてはもはやSMが物語上の意味を持っておらず、羞恥心も背徳感もあったものではありません。内容的にはananのセックス特集と大差なく、新婚夫婦の夜の営みが見目麗しく、ちょいとお下品に描かれるだけです。
目隠しプレイとか
振動する性玩具とか
相手の身体にアイスクリームを塗ってペロペロするだとか
そんなの誰もがやってるでしょうに。
(え?違う?)
そもそも本作はSMの本質をキチンと描けておらず、にわかSMになってしまっているのは1作目の時点でバレバレでしたが、その点に関しては軌道修正するでもなく、すっかりサジを投げてしまった感があります。
だって、言葉責めが一切出てこないなんて!
『花と蛇』に代表されるような、団鬼六ちっくな犯罪的でネチネチした陵辱感は日本特有かも、なんてことは前も書きましたが、米国映画のSMには不思議とこういうテイストが見られないんですよねぇ。
米国のSMっぽい映画で、僕が唯一感動したのはデヴィッド・リンチの『ブルー・ベルベット』です。
最初は江戸川乱歩みたいと思ったものですが、後から考えてみると、団鬼六テイストも入ってますね。特に反社会的組織に家族を人質に取られた人妻が陵辱のえじきになる、というポイントが。
『ブルー・ベルベット』においては、行為がもたらす精神的な陵辱感が色濃く描かれています。思い出すだけでもゾクゾクする素晴らしさでした。まぁ、比べるもんじゃないですけどね。
話を本作に戻しますが、結局のところ本シリーズのSMというのは表面的な装飾要素であって、本質は女子向けの「玉の輿婚ファンタジー」だったのです。
なんかイケメン大富豪と結婚するというイメージビデオみたいな描写が延々と続く様子はまさにそんな感じでした。「そんなもんだから、薄っぺらくてもいいのよ!」と言われたらそれまでですが。
映画としてはダメダメですが、ダコタ・ジョンソンのハダカは相も変わらず綺麗だったので、やや甘めの採点で。
僕の評価
3点/10点

全編がエピローグって感じの続編映画って、ちょっと他には思いつかないレベルですよねぇ。
どうでも雑感
・イケメン大富豪を演じたジェイミー・ドーナンは2作目から急激に筋肉の完成度がグッと上がった感じです。アクションじゃないけど、これもまた「筋肉映画」に認定していいんでないですかね。
鑑賞方法
『フィフティ・シェイズ・フリード』は下記のVOD(ビデオ・オン・デマンド)にて配信中です。
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※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。
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