『ランボー ラスト・ブラッド』時代劇?ペキンパー?今回は一味違うぜ!

映画『ランボー ラスト・ブラッド』の一場面 アクション
(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.
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前作『ランボー/最後の戦場』(2008)から11年ぶりとなるシリーズ最新作です。 

スタローン、御歳73歳にして人間兵器ランボーを再びを演じるという、もはや無謀としか思えない企画が実現しちゃいました。大丈夫かよ? 

しっかし、これが良かった! 事前の不安を吹っ飛ばす快作でしたねぇ。

タイレンジャー
タイレンジャー

時代劇風と言うか、ペキンパー風と言うか。

作品概要

2019年製作/101分/R15+/アメリカ
原題:Rambo: Last Blood
配給:ギャガ
監督:エイドリアン・グランバーグ
脚本:マシュー・シラルニック/シルヴェスター・スタローン
撮影:ブレンダン・ガルビン
音楽:ブライアン・タイラー
出演:シルヴェスター・スタローン/パス・ベガ/ルイス・マンディロア/シェイラ・シャー/イヴェット・モンリール/オスカル・ハエナダ ほか

シルベスター・スタローンの「ロッキー」に並ぶ代表作で、1982年に1作目が製作された人気アクション「ランボー」のシリーズ第5弾。グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれていた。ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。娘のように愛していたガブリエラ救出のため、ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。監督はメル・ギブソン主演作「キック・オーバー」を手がけたエイドリアン・グランバーグ。

映画.comより)

予告編

【公式】『ランボー ラスト・ブラッド』6.26公開/本予告

感想・考察(ネタバレなし)


スタローンは『クリード/チャンプを継ぐ男』(2015)では哀愁あふれる演技を見せてくれたので、今回のランボーもまた「枯れ」の男気を見せてくれるんじゃないかと想像していました。イーストウッドの『グラン・トリノ』(2008)のような渋い作品を。 

ところが、そうじゃあないんですよ。 今回のランボーは時代劇『必殺』シリーズっぽいです。

何がって、まずは映画の構成ですよ。 善良な庶民が悪党によって虐げられ、ズタボロにされて、彼らの恨みを晴らすべく殺しのプロが立ち上がって、最後はアクションで制裁、というのがいかにも『必殺』っぽいんですよね。 

だから悪党がやりたい放題する展開が中盤以降まで続いて、アクションらしいアクションになるのは終盤のみです。それまでは理不尽な悪事に耐える展開が続きます。 アクションは終盤のみということで、従来のシリーズに比べるとアクションの分量はかなり減ってますし、規模もコンパクトになっています。

今回は戦争、紛争レベルではなく、あくまで庶民の危機というスケールに落とし込んでますから。 これはスタローンの年齢に応じて、無理がないように話をいくらか現実的なレベルにアジャストした結果だと思いますが、それが結果的に『必殺』っぽく見えているのかと思います。(または西部劇風とも言える) 

 で、一見するとランボーが悪を成敗する勧善懲悪のように見えるんですが、仕事人(ランボー)もまた司法を無視した裁きを下す殺人マシーンですからね。毒には毒を、ということです。この点も『必殺』チックであります。

間違ってもランボーが正義のヒーローだと思って観ぬよう。 

あとはもう一つ似てるなと思った作品がサム・ペキンパーの『わらの犬』(1971)。ダスティン・ホフマン演じる気弱な青年がランボーだったら…というのが本作、という気もします(違う?)。『わらの犬』ももともと構成が『必殺』風ですが、最後に家を舞台にした大バイオレンスがあるのと、音楽の使い方なんかも本作と似ています。 

というわけで、過去シリーズ作に比べるとだいぶ地味な小品という感じですが、血みどろの超暴力的な内容なので、ランボーの成敗が炸裂する終盤はほぼスラッシャーホラーです。 

これはこれで、怒り狂った老人による大殺戮を楽しむべし、なのです。 

では、1作目のような社会問題に一石投じるような精神性、もっと言えば反戦の姿勢、が無くなったのかと言うとそうではないと思います。 と言うのも、最後のトンネル戦はベトナム戦争当時のクチトンネルを彷彿とさせるからです。 

クチトンネルとは旧サイゴン郊外に置かれた全長250kmにも及ぶ地下トンネルで、ベトコンの作戦本部が置かれていた場所で、米軍に対するゲリラ戦の本拠地でもありました。 ここには潜入した米軍を殺傷するための様々なトラップが仕掛けられていたのですが、本作に登場するトラップの数々はクチトンネルのものに非常によく似ています(現在のクチトンネルは観光地として誰でも見学できるので興味がある方はぜひ) 。

これを読み解くと、ランボーは今もなお、半分はベトナム戦争から帰ってこれていないのだと思い知らされます。ランボーにとってのベトナム戦争はまだ終わっていないのだと。

明確にそうだとは語られませんが、反戦の意を汲み取ることはできます。恐らく今回がシリーズ最終作かと思いますが、原点を呼び起こす見事な締めくくりでした。 

僕の評価

7点/10点

タイレンジャー
タイレンジャー

シブいぜ、老ランボー!ありがとう、スタローン!

どうでも雑感

・ランボーが地下トンネル内で聴いている楽曲はThe Doorsの”Five to One”。ベトナム戦争の頃に活躍したサイケデリック・ロックのカリスマバンドです。やはりランボーはベトナム戦争から「まだ還ってこられない」ことを示唆する選曲だと思います。

・残虐シーンのオンパレードにカンボジアの若い観客はドン引きの様子でした笑。

鑑賞方法

『ランボー ラスト・ブラッド』は下記のVOD(ビデオ・オン・デマンド)にて配信中です。

・アマゾンプライム

また、DMM.comの宅配DVDレンタルにて鑑賞をすることができます。初月は無料です!

※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。

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