映画にも八百長があるとしたら、本作がそうなんじゃないかと。
老ウィル・スミスvs若ウィル・スミスなんて、どーでもいーわ、と思ってましたが、僕がわざわざ劇場に足を運んだのは、監督がアン・リーだからですよ。
『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ』で2度のアカデミー監督賞に輝く名匠がなぜこの映画?という疑問はありつつ、彼が監督なら観ねばと思った次第。

アン・リーともあろうお方がなぜこんな映画を?
作品概要
2019年製作/117分/G/アメリカ
原題:Gemini Man
配給:東和ピクチャーズ
監督:アン・リー
脚本:デビッド・ベニオフ/ビリー・レイ/ダーレン・レムケ
撮影:ディオン・ビーブ
音楽:ローン・バルフェ
出演:ウィル・スミス/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/クライヴ・オーウェン/ベネディクト・ウォン ほか
ウィル・スミスが現在の自分と若い自分の2役を演じ、「ブロークバック・マウンテン」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」の名匠アン・リーがメガホンをとった近未来アクション。史上最強とうたわれるスナイパーのヘンリーは政府に依頼されたミッションを遂行中、何者かに襲撃される。自分の動きをすべて把握し、神出鬼没な謎の襲撃者の正体は、秘密裏に作られた若い頃のヘンリーのクローンだった。その衝撃の事実を知ったヘンリーは、アメリカ国防情報局の捜査官ダニーの協力を得ながら、政府を巻き込む巨大な陰謀の渦中へと身を投じていく。主演のスミスは現在のヘンリーのほか、クローンである若いヘンリーも演じ、クローンのヘンリーは最新のデジタル技術によってスミスの外見を若返らせている。ダニー役はメアリー・エリザベス・ウィンスレット。製作に「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマー。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
監督があのアン・リーだという点が唯一の注目ポイント。
だが、しかーし!つまらん!
わざとつまらなくしているとしか思えないほど、つまらん!
どうした!アン・リー!?
まさか、八百長なのか?
例えば、アン・リーがライバル会社から金を積まれて、わざと駄作に仕上げた、という裏事情ならようやく納得できるような出来栄えなんですよ。
そんなシリアスに描くほどの話ではないし、アクションは中盤だけがピークだし、予想通りの展開しか起きないし…。 重ね重ね言いますが、 マジでどうかしてるぜ!というレベルでつまん!
では、本作の良いところはと言うと、やはり売りである最新3D技術ですね。
単純に3D技術だけで言ったら『アバター』以来の新鮮な驚きはありますよ。今までの3Dは何だったんだってくらいの高精細で滑らかな動きなので、とてつもない臨場感が味わえます(特に水の表現がスゴイ!)。 さすが『ライフ・オブ・パイ』の3D表現の実績があったからこそ、アン・リー起用という部分はある程度理解できますけどね。 中盤のコロンビアでのバイクチェイスはこの技術が非常に効いていて、まさにその場にいるような感覚がありましたね。
なので、最新の映像技術に興味があって、且つ劇場で3D鑑賞する人にとっては観る価値がありますが、それ以外の人は観なくてもいい映画ですね。 そう、最新3D技術のデモンストレーションとして本作は存在するのです。 でも、デモンストレーションに2時間も要らないよね?って話なんですよ…。
ああ、そうそう。 僕が本作を観たもう一つの理由が、某SNSに「カンボジアが舞台」と書かれていたからです。 これはカンボジア在住者としては絶対に見逃せないワケですよ。
映画の最初は普通に米国が舞台からスタート
↓
コロンビアでは壮絶なバイクチェイス(街並みがカラフルで魅力的だな〜)
↓
舞台はハンガリーのブダペストへ(南米からヨーロッパですかぁ)
↓
さらにジョージア(グルジア)へ(ははぁ、それではこの後のクライマックスがカンボジアというわけだな)
↓
おわり。
え!終わった!?カンボジアは!?
どうやら某SNSの情報はコロンビアをカンボジアだと勘違いしていたらしい。
Colombia とCambodia
まぁ、英語表記だとパッと見は似てるが…。
分かるやろ、自分。
僕の評価
2点/10点

劇場で3D鑑賞しないのなら観る価値なし!
どうでも雑感
・CGで作られた若いウィル・スミスを見せられても正直「ふーん」ですよね。そういうの『ベンジャミン・バトン』でもう観ましたから・・・。
・ヒロインが『10クローバーフィールド・レーン』などのメアリー・エリザベス・ウィンステッド。この人、少し熟女感が出てきましたね。色気はありませんが。
鑑賞方法
『ジェミニマン』は下記のVOD(ビデオ・オン・デマンド)にて配信中です。
・U-NEXT |31日間無料トライアルキャンペーン実施中

・TSUTAYA TV |30日間無料お試し期間実施中

※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。
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