久々に単純明快なアクション映画をチョイス。映画館に足を運ぶことができない今(鑑賞したのは2020年5月)、こういう派手な新作がオンラインで観られる(Netflix独占配信)ことはありがたいです。
今回の記事では主に、①前半の怒涛のワンカットアクション、②なぜ邦題? について書きます。

Netflixは先進的な企業なんだから、変な邦題をつけずに原題のままで行こうよ。
作品概要
2020年製作/117分/アメリカ
原題:Extraction
監督:サム・ハーグレイブ
原作:アンデ・パークス
脚本:ジョー・ルッソ
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
音楽:ヘンリー・ジャックマン/アレックス・ベルチャー
出演:クリス・ヘムズワース/デヴィッド・ハーバー/ゴルシフテ・ファラハニ/デレク・ルーク/ランディープ・フダ/パンカジ・トリパティ/ジェイ・アリ/ヘイズ・ウェルフォード ほか
「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・ヘムズワースが主演を務め、「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズの監督アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が製作、「アベンジャーズ エンドゲーム」などでスタントコーディネーターを務めたサム・ハーグレイブが初メガホンをとったNetflixオリジナル映画。誘拐された少年を奪還するべく敵だらけの街に潜入する傭兵の死闘を描いたサバイバルアクション。裏社会の危険な任務を生業とする凄腕の傭兵タイラー・レイクは、ムンバイで誘拐された犯罪組織のボスの息子を救出するため、ギャングが支配するバングラデシュのダッカ市街地に向かう。敵のアジトに単身突入したタイラーは少年の奪還に成功するが、街中のギャングたちから猛追を受ける。絶体絶命の状況の中、卓越した戦闘スキルを駆使して戦うタイラーだったが……。Netflixで2020年4月24日から配信。
(映画.comより)
予告編
感想・考察(ネタバレなし)
かっ飛ばした前半と、それに追いつけなかった後半
まず、本作の前半のノンストップアクションにはぶったまげました!今となってはさほど珍しくない「ワンカット風」なのですが、その精度が高く、効果的です。
カットを割らないことによって人物同士の距離と位置関係がダイレクトに伝わるようになっており、緊張感が途切れないのですね。
カーチェイス
↓
集合住宅での逃走
↓
強力な敵との肉弾戦
↓
またカーチェイス
という具合にステージがテンポ良く移り変わっていくのもイイ! 言うなれば、アクションの二次会、三次会、四次会コース。そう、はしご酒状態なのです。
また、そのワンカットの長さたるや、観る者の予想を遥かに超えるもので、アクションとカットが「え?まだ続くの!?」という驚きがどんどん蓄積されていき、尻上がりに興奮が増していきます。
登場人物が徹底的にに痛めつけられ、ボロ雑巾のようになりながらも闘い続ける過剰さもジョン・ウィック的ですね。 これには嫁(カンボジア人)も「彼らがまだ生きているのはおかしい」とツッコミを入れたほど。 とにかくこの前半の疾風怒涛アクションは一見の価値があります。
ところが、中盤以降は明らかに失速するのが残念なところ。異常な熱量を発揮したワンカットの後だけに、会話シーンは演出面での工夫の無さと内容の薄さが目立ってしまった気がしますー。
そもそも、幼い息子を亡くして以来やさぐれてしまったスゴ腕兵士なんて、どんだけテンプレートなんだよ。 よって、人間ドラマの部分は丁寧に見せているようで実態は粗の目立つ手抜き工事ではないでしょーか。
終盤のアクションも前半のそれに比べるとやはり工夫が足りなかったかな…と。作品をトータル的に見ると前半の貯金を後半で使い果たしてしまった感じですね。勿体ない。
© NETFLIX
映画の題名が人名フルネームって・・・
それはさておき、本作に関して僕がいちばん言いたいことは、なぜこの邦題なのかということです。
原題:Extraction (摘出、引き抜き)
邦題:タイラー・レイク -命の奪還-
タイラー・レイクというのは主人公の名前なのですが、あまり特徴が無い感があり、絶妙に覚えにくい。それにタイラーというキャラクターに特別な特徴があるわけでもない。(個人的な感覚です)
じっさいに僕は本作の邦題をしばらく覚えられなかったんですよ。 えっと…邦題はなんだっけ…
『バリー・シール 命の奪還』?
『ジャック・リーチャー 命の奪還』?
『ジョン・カーター 命の奪還』?
『ジェイソン・ボーン 命の奪還』?
『ベンジャミン・バトン 命の奪還』?
…てな具合に「タイラー・レイク」が真っ先に出てこない。
個人的には人名フルネームの題名はあまり好きではありません。実在の有名人とか、よほど特徴のある名前なら気になりませんが。 カイザー・ソゼくらいインパクトのある名前だったら、そのまま題名にしていいと思いますけどね。 その点、タイラー・レイクという名前は記憶の中に埋もれてしまいがちかなぁ。原題のままで良かったんでない?
僕の評価
5点/10点

うーむ。前半のノンストップアクションは素晴らしかっただけに、それ以外が悔やまれる。
どうでも雑感
・CIA(だっけ?)を演じたイラン人女優のゴルシフテ・ファラハニがダンディでカッコイイ!なんでしょうね、あの存在感と画面が引き締まる感じは。
鑑賞方法
『タイラー・レイク -命の奪還-』はネットフリックスにて配信中です。
※本ページの情報は2020年11月時点のものです。最新の配信・レンタルの状況は各サイトにてご確認ください。
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